2019年09月20日
トリーター:山本

今週のおすすめ

ベニクラゲ(北)ベニクラゲ(北)

最近江の島では、カラカサクラゲやヒメツリガネクラゲが採れ始め、何となく夏の終わりを感じるようになりました。去年の夏と比べると、今年はコモチカギノテクラゲがあんまりいなかったなと感じます。そのあたりの話はまた今度…
もうすぐ、すごしやすい秋がやってきます。というかもう秋? 秋と言えば… いま思いつくのは食欲の秋ですね。なにかと増し増しにしたくなります。お腹すいた。私の食欲とは別に関係ないのですが、最近クラゲサイエンスで「クラゲ増し増し」にしている水槽がいくつかありますので、今週のおすすめはそのクラゲたちにしましょう。

ベニクラゲ
日本には「ベニクラゲ」の仲間が3種類います。種がしっかりと分けられる前、ベニクラゲは「北日本型」と「南日本型」に分けられていました。日本の北の方にいるもの(=ベニクラゲ)と、南の方にいるもの(=ニホンベニクラゲ)は形や大きさが違い、赤くて10㎜以上になるのが北、黄色っぽくて最大でも5㎜ほどにしかならないのが南です。
江の島のベニクラゲ事情はとても面白く、なんとどちらも出現するんです! そしてそれらの出現時期が違いまして~…などという詳しい話は、また今度いたしましょう。
最近江の島の磯場で「南日本型=ニホンベニクラゲ」をたくさん採集することができました。クラゲサイエンスでベニ増しにしております。
北日本型も南日本型も、どちらも展示しておりますので、ぜひ見比べてみてください! 赤い方がベニクラゲ(北)、黄色い方がニホンベニクラゲ(南)ですよ!


ニホンベニクラゲ(南)

エダクダクラゲ

北海道からやってきました。このクラゲには、私たちクラゲチーム一同本当にお世話になっておりまして… というのも、このクラゲは寿命がとても長い種なのです。半年ほどは余裕で同じ形を保つほどの強さを持っています。
ふわっとたなびく触手はとても美しく、いつまでも眺めていられるような気がします。たくさんいます。ぜひご覧あれ。

シロクラゲ

ちょっと前に展示していた個体からプラヌラ幼生を採り、ポリプに成長させたところ、大量のクラゲをつくってくれました。シロクラゲをこの密度で展示することはなかなか無いかも知れません。いろいろな大きさのものが入っており、大きさの違う輪っかがぴょこぴょこ動くようすは、軟クラゲ目(←という分類群にシロクラゲは属します)ならではの美しさです。
ポリプのクラゲ生産ラッシュがいつまで続くのか分かりませんので、シロ増し状態を今のうちにぜひご覧ください。

サルシアクラゲ

サルシアクラゲのポリプは、毎日エサをあげていると、毎日クラゲを出します。最近私が気合いを入れ過ぎたのか、クラゲ生産室では、大量のサルシアクラゲがスタンバイしているのです。そのうち大きい水槽に移そうかなと思っていますが、とりあえず今は小さな水槽で増し増し中です。チョモランマです。
自然界でも大量発生することがあるようです。自然の海ではこんなことになっているのかなーと思いを馳せながら、ご覧ください。

クラゲサイエンス

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