2020年01月31日
トリーター:岩崎

逗子沖オオタカ根・ツブ根に潜る!

シラコダイシラコダイ

野外調査に必要な潜水技術のトレーニングのため、逗子沖のオオタカ根とツブ根のポイントに潜りました。
冬場の野外潜水に欠かせない、ドライスーツを使いこなすことが、主なトレーニング内容。
全身が濡れるウェットスーツには、毎日のダイビングショーや水槽掃除で慣れているのですが、防水機能を持つドライスーツは、久しぶりの着用でした。

ご協力いただいたのは、逗子・葉山ダイビングリゾートさん。
経験豊富なベテランインストラクターさんのご指導で、ドライスーツの機能、水中での操作方法、適正なウェイト、緊急時の対処方法、機材の管理方法など、基礎から応用までしっかりと学び直すことができました。

ウェットスーツと違って、服を着たまま潜れるのがドライスーツの強み。
断熱効果が高い空気の層を利用して、冷たい真冬の海でも快適に潜ることができます。
トレーニングで学んだ知識と経験を、冬場の潜水調査で活用したいと思います。

“えのすい”では、逗子沖の海中環境を再現した水槽を、展示公開しています。
今回のトレーニングで、モデルである逗子沖のオオタカ根とツブ根に潜れたことは、相模湾の奥深さを再確認する貴重な機会となりました。
空気消費量が多い、水深 25m前後のやや深いポイントなので、それぞれ 30~ 40分程度の潜水時間でしたが、十分な最新情報を得ることができました。

オオタカ根では、黄サンゴやヤギ類の周りを群れ泳ぐ、キンギョハナダイやスズメダイ、上手に隠れるクダゴンベやカエルアンコウの仲間、岩の上を這(は)うウミウシの仲間などを観察することができました。

ツブ根では、生息域の最北端といわれるオノミチキサンゴや、季節来遊魚のシテンヤッコ、タテジマキンチャクダイの幼魚や、ヤギ類に擬態しているゴルゴニアンシュリンプなどを観察することができました。

南岸低気圧が通過した直後だったので、若干浮遊物が多かったものの、それでも透明度は 10m以上。
その他にも、頭上をきらきら光りながら泳ぐカタクチイワシの群れ、岩場に横たわるウツボ、岩の間を泳ぐキンチャクダイやシラコダイなど、たくさんの魚たちを観察することができました。

重たい機材を背負って、特殊なトレーニングを積まなくても、潜水事故の危険もなく、誰でも気軽に海中散歩を体験ができるのが、水族館の醍醐味(だいごみ)です。
できるだけリアルな相模湾を再現できるように、情報をアップデートしながら、展示内容を充実させていきたいと思います。


クダゴンベ


ハナオトメウミウシ


アオウミウシ


ゴルゴニアンシュリンプ


オノミチキサンゴ


海中を進む番長トリーター


ドライスーツの浮力調整をする番長トリーター


ウツボが遠くから見つめていた・・・


冷たい北風に吹かれる


暖かくて甘い紅茶で一息


船上にてバディの番長トリーターと

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