2020年02月08日
トリーター:倉形

祝・「ミサキ」 満3歳

コツメカワウソ「ミサキ」コツメカワウソ「ミサキ」

コツメカワウソの「ミサキ」が先日(2月7日)3歳の誕生日を迎えました。
特別に誕生祝いなどはおこないませんでしたが、「ミサキ」に『誕生日おめでとう!』と声をかけました。
早いもので「ミサキ」が1歳で当館にやって来てから 2年の月日が経ち、その間に初産にして 3頭の子(「カシワ」「オモチ」「サクラ」)を産みました。
出産直後は「ミサキ」、「ヨモギ」(父親)も大変神経質になっているため、私たちトリーターは展示舎の外から見守っていました。
親はふつう犬猫のように首(頸椎)周辺をくわえて子を移動をさせるのですが、「ミサキ」は子を前肢で抱えて移動させようとしたため、子を床面に引きずることが数回見受けられ冷や冷やしたことがありました。
しかし、子育てじょうずな「ヨモギ」がじょうずに子をくわえて移動させているようすを間近で見ているうちに、しっかり学習し、「ミサキ」も次第に軽やかに子の移動を完了させることができるようになりました。

人間の場合、保健所などの指導のもと「両親学級」などの名称で、出産までに数回生まれてくる我が子の「抱き方」や「お風呂の入れ方」、「おむつ交換」などを知識と実習を通して学ぶことができますが、動物たちは初産でも誰かに事前学習することなどなく命懸けで子育てをする姿には頭が下がります。
日に日に母親として成長する「ミサキ」と、その隣でいつも子育てを強力にサポートしている「ヨモギ」。他園館で子育て経験が豊富なイクメンの「ヨモギ」の存在が大きいと実感しています。
授乳は「ミサキ」しかできませんが、子と一緒に寝かせつけたり、私たちトリーターが掃除のため展示舎内に入室すると家族を守ろうとして私たちに近づき威嚇行動を取ったりする「ヨモギ」。
普段は比較的おとなしい性格ですが、いったん家族を守ろうとなるとオスとしての本能が剥き出しになるようすを間近で見ていると、人工飼育下生まれであり、育ちも人工飼育下である動物でも、眠っていた野生の本能が目覚める瞬間があるのを毎回いろいろな動物たちの出産と子育てに接する度に実感しています。
現在「ミサキ」も子育て中?というよりは、「ミサキ」が子ども(「カシワ」「オモチ」「サクラ」)たちに親育て?されているような感じ見えます。
実際、私たちトリーターが展示舎内に入室すると、子どもより先に近寄ってきて甘えようとします。
まだまだ、遊びたく甘えん坊な「ミサキ」ですが、子どもたちと接するようすは母親の姿を見せてくれます。
みなさんも日々成長するお母さんの「ミサキ」と子ども「カシワ」、「オモチ」、「サクラ」たちの姿をご自身の目で確かめてください。いろいろな発見があると思います。


カワウソ~木漏れ日のオアシス~

RSS