みなさんこんにちは、八巻です。ただ今“えのすい”は閉館させていただいており、みなさまに水槽や生き物を見ていただけない、もどかしい日々が続いています。とはいえ、生き物たちは元気にしていますので、私たちトリーターはいつも通りの飼育業務を行っております。
飼育というと、餌をあげたり水槽の掃除をしたり、そんな業務をイメージされるかと思います。もちろんそれらも行いますが、水槽に付随する機器や装置をメンテナンスしたり交換したりするのも飼育業務のひとつなのです。今日はそんな、少し飼育っぽくない仕事を紹介したいと思います。
水槽まわりの機器の中でも、ポンプは水槽の水を循環させるため、クーラーは水温を一定に保つために毎日休まず動いており、経年劣化で故障してしまう確率の高い機器です。特にクーラーは低い水温を維持するため、深海生物を飼ううえで欠かせない大切な機器です。
飼育業務の一つに、毎日行っている測温と呼ばれる水槽のチェック作業があります。今日はその測温をする中で、深海Ⅰの「ホネクイハナムシ」水槽(写真1)が、ここ数日、設定よりもやや高い水温で推移していることが分かりました。さっそくクーラーがちゃんと働いているかチェックしてみたところ、やはり冷えが悪いようです。測温はそんな異常にいち早く気付くための大切な作業でもあるのです。
そこで、西川トリーターと一緒にクーラー交換を行うことにしました(写真2)。ホネクイハナムシ水槽は、下に中通し式のクーラーがあり、それを交換する必要があります。ポンプでクーラーの中に水を送り、冷やされた水が水槽に戻ってくるという仕組みなので、クーラーの交換は配管をつなぎなおす作業を伴います。配管のつなぎ直しは常に水漏れのリスクがありますので、しっかり繋げたかチェック必ずチェックします。
1度目につないだ後、水漏れのチェックを行うと、案の定、クーラーの出入り口からじわじわと水が漏れているではありませんか...私はお恥ずかしながら、正直この手の作業は苦手です...もう一度つなぎなおしたり、シールテープを巻きなおしたり、色々試行錯誤をしてようやく水漏れがとまり、無事設置終了、水温も安定しました。
もちろん一番大切なのは生き物の状態です。交換後、しばらくして水槽を見に行ってみると、ホネクイハナムシはこれまで通り元気にしています(写真3)。
水漏れもありません。一安心...
ということで、以上本日はちょっと地味な裏方作業のご紹介でした。