2020年03月29日
トリーター:山本

クラゲじゃないよ、サルパだよ

3月25日、静岡県の某漁港にて、「オオサルパ(単独個体)」を見つけました。一見クラゲに見えますが、実は全然違う「サルパ」という生き物の仲間です。サルパは、分類的には「脊索動物門・タリア綱・サルパ目」に含まれる生き物を指します。つまり、クラゲたちが含まれる「刺胞動物門」とは、「門」の段階で異なる、まさに全然違う生き物です。脊索動物門には、タリア綱の他に「オタマボヤ綱」・「ホヤ綱」が。タリア綱には、サルパ目の他に「ヒカリボヤ目」・「ウミタル目」がいます。海でよく遊ぶ方は、もしかしたらこのどれかに含まれる生き物に出会ったことがあるかもしれませんね。


その日は、海面が非常に穏やかで、このオオサルパも気持ちよさそうに(?)プカプカと浮かんでいました。水族館に持ち帰り、観察をしてみると…


オオサルパの中に先住民が…!



いっぱいいました。これは「ウミノミ」という甲殻類の仲間で、元気に足をシャカシャカと動かしています。大型のサルパにはよくウミノミの仲間が寄生しているそうです。素敵なお家ですね。

サルパの仲間は、いろいろな特殊能力を秘めているそうですが、それはまた今度…。意外と普通に海で見られる生き物ですので、ぜひ探してみてください。

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