2020年05月13日
トリーター:八巻

ステイホームな生き物たち

みなさんこんにちは、八巻です。
世間ではステイホームな日々が続いていますが、生き物にとっての「ホーム」とは何でしょう。やはり「巣」でしょうか。
「巣」とは、生物学辞典第4版によると、「広義には安息所、隠れ家、防衛の場所、産室、育児室。狭義には動物自身が何らかの手段で作り上げるもの。」だそうです。
広義では自ら作り上げた「住みか」のみならず、安息所となるところは「巣」と呼んでいいようですね。

ということで、今日はお気に入りの場所や、自分でつくった住みかなどの、水槽内の「ホーム」に「ステイ」している生き物を探してみました。

まずはこちら、お気に入りの穴に入っているウツボたちです。


このような穴や岩の隙間が好きなようで、自然の海でもウツボを見かける時は大抵、このように「ステイホーム」して顔だけ出し、こちらをうかがっています。


次にこちら、干潟に巣穴をほるハクセンシオマネキです。


こちらは自分で作っているので、狭義の「巣」にも相当しますね。
結構外に出歩きがちで「ステイ」ではないような気もしますが、危険を感じると素早く「ホーム」へ戻っていきます。


サンゴを「ホーム」にしている魚たちもいます。


このようにサンゴ礁にすむ魚の多くは、夜になるとサンゴの隙間に隠れて休みます。複雑に入り組んだサンゴは外敵から身を守ってくれる格好の隠れ家なのです。
夜限定ですが「ステイホーム」ですね。


ヤドカリが背負う貝殻も、隠れ家という意味では「巣」と呼べそうです。


いつでもどこでもすぐに入れる、理想的な「ホーム」ですね。
でも「ステイホーム」しながら移動できてしまうということを考えると、何か今回の趣旨とは違うような気もします・・・


一方で、わずかな幼生期を除き、ほとんど一生、「ホーム」から一歩も出ないし移動もしない生き物もいます。
ホネクイハナムシは名前の通り、クジラの骨を溶かして「ホーム」にし、移動はせずに赤い鰓だけを外に出しています。


写真の茶色いものはクジラの骨で、上にふさふさと生えているように見えるのがホネクイハナムシの鰓(えら)です。


サツマハオリムシもやはり、自らが作るチューブを「ホーム」にして、赤い鰓だけを出して、一生を過ごします。


彼らは究極の「ステイホーム」な生き物たちかもしれませんね!

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