2020年07月27日
トリーター:加登岡

大冒険

前回血がの
写真の細い方が先頭なのですが、このように細くなって、太くなってと体の形を変えながら、芋虫のように移動するのです。

これは人為的に見つけだしたのですが、その他に全身を拝むことができたのは、当直の時で、夜11時頃まっくらな水槽の壁にへばりついていました。見つけた時は驚きすぎて、一人で大声出していました。ようやく自然に全身見ることができたことへの歓喜です。この時見たのも大きい方のナマコだったので、もう 1匹の小さい方を見ることができていませんでした。

ナマコは死んでしまうと、溶けてしまいます。そのため、もう死んでしまっているのかとも思いました。しかし、ナマコの死=水質の悪化 なので、水槽のようすを見てもそんな感じがしません。
しかし、出会いは突然でした。ある日、濾過槽の掃除をしようとしたら、なんとそこに・・・



「いた!!!」
そこは水槽から少し離れた位置にあります。ここに至るためには山を越え、谷を越え(狭い隙間や配管)なければなりません。


写真中央が展示水槽です。写真右側にあるのが、リュウキュウフジナマコが発見された濾過槽です。
この濾過槽に行くにはまず、水槽の狭い隙間を通るか、40㎝ほど陸路で壁を登らなくてはなりません。おそらく前者なのですが、ナマコよりはるかに細い隙間です。しかも魚が吸い込まれないように補強されています。



そして、次の難関は配管への侵入です。ぼこぼことエアレーションしている所を通過して、中央のパイプに入らないとなりません。ここへ入ると 1mほどさがって、さらによこに 2m移動し、50cm程登り、ようやく濾過槽にたどり着きます。
数々の難所を乗り越え、ようやく濾過槽に辿り着けるのです。
ナマコの行動力に驚かされました。

ナマコは水をきれいにしてくれる生物です。
沖縄の浅い海を再現した水槽では、主役級に活躍してもらおうと展示しましたが、今は水槽維持を影で支える立役者として、活躍してもらうことにしました。
次に会えるのはいつの日か・・・
みなさんの中に、出会える幸運な方がいることを信じて、これからも探していきたいと思います。

太平洋

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