2020年08月07日
トリーター:北嶋

名前

日中の花がしおれたコマツヨイグサ日中の花がしおれたコマツヨイグサ

「ウミガメの浜辺」の砂浜を見てみると、真ん中あたりにちょこちょこと生えている植物があります。よく見ると、淡い黄色い花がしおれたようについています。
「コマツヨイグサ」という植物で、漢字で書くと「小待宵草」です。宵(夜)を待って、夜に可憐な黄色い小さな花を咲かせる様が表現された、すてきな名前です。


コマツヨイグサ

ちなみに、同じ仲間に「ツキミソウ」という月夜に一晩だけ咲く花がありますが、田園都市線のつきみ野駅はこの花がたくさん咲いている野原だったことが駅名の由来です。今は住宅街で姿を見ることはできなくなってしまいましたが。

「コマツヨイグサ」「ツキミソウ」いずれも和名と呼ばれる日本特有の正式な名前です。世界共通の名前は学名といって、ラテン語が用いられています。
学名は日本人には読むのも覚えるのもちょっと難しいので、和名が広まったのかもしれないですね。

和名は、その種を見つけた研究者が命名したり、古くから知られている種は通り名で使われていたものがそのまま残ったりしています。名付けた人のセンスが光るものや、ちょっと変わった面白いものなどいろいろありますが、名前を聞くとどんな生き物か想像できるものが多いです。

ダンゴウオの仲間はよく思いついたな、というラインナップ。
「ダンゴウオ」 ちいさいダンゴのような真ん丸の魚。
「フウセンウオ」 風船のように真ん丸の魚。
「コンペイトウ」 お菓子のコンペイトウのようにとげとげしている。
「ホテイウオ」 七福神の布袋様のようにぽってりとした体形に、にんまり顔。


フウセンウオとホテイウオ


コンペイトウ

深海の貝はおもしろい。
「ジゴクツムバイ」
「ヨモツヘグイニナ」 “よもつへぐひ”は黄泉の国の竈で煮炊きしたものを食べるという意味だそうです。

どちらも熱水の噴いている深海底に生息している巻貝です。煮えたぎった暗い世界が想像できませんか?バイ、ニナは巻貝のこと。

ただし、いちど命名されると簡単には変えられませんので、後々、まぎらわしい名前に惑わされることもあります。タラバガニはカニではなくてヤドカリの仲間だったとか。
気になる名前を見つけたら、その由来を調べてみたり、想像するのも面白いですよ。

いま、“えのすい”では今年生まれた子イルカの名前を募集しています。
ぜひすてきな名前をつけてください!

RSS