2020年08月27日
トリーター:佐野

それっぽいようでそうでない

イソギンチャクモドキ類は名前の通りぱっと見、触手があってイソギンチャク的な風貌ですが、イソギンチャクではなく、サンゴの仲間です。さらにサンゴの中でも骨格をもつサンゴに近い仲間なのですが、分類的には「ホネナシサンゴ目」。なんだか色々複雑な彼らです。

これまでバックヤードのサンゴの水槽でくらしていましたが、サンゴの仲間の中ではなかなかタフな性質なので、水槽の中の一等地は他のサンゴに譲り、二等地的な場所でくらしていたのですが、そんな場所でもたくましく、かつ地味にその数を増やしてきました。

そんな水槽も最近密になってきてしまい、どこかに出せないものかと、先日、太平洋に展示しました。

以前、バックヤードで爆発的に増え、他のサンゴをすごい勢いで侵攻していったサンゴを、こんなにたくましいならばと展示水槽に出したところ、あっという間に弱ってしまった事があり、今回もそうならないといいなと思いつつ観察していました。

展示してしばらくは機嫌悪そうにしょぼくれていましたが、徐々に開き始め、現在では同居のイソギンチャクにちょっかいを出されても、その日のうちに満開になってくれています。

まだバックヤードの水槽にはそんなサンゴたちがくらしているので、いつかみなさまにご覧いただけたらと思います。

太平洋

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