2020年09月17日
トリーター:今井

仔犬のようなオオカミウオ

8月の猛暑真っ只中に、北海道の室蘭水族館からオオカミウオ 2尾が、当館に送られてまいりました。一箱に 1尾ずつ入っています。


空港到着時、箱に名前が大きく記されていて、航空会社の方々も興味津々でしたので、点検がてらに御覧いただいたところです。
飼育水温は 5℃くらいを望みますので、パッキングされたビニール袋の下には氷が敷き詰められています。


本種は、その姿からは想像し難いのですが、大変慣れやすく、それでいて温和な性質です。もともと、当館にいる 2尾はもう 1mほどの成魚で、どっしりと落ち着いています。ゆっくりと寄ってくるので、大きく柔らかな頭部を撫でながら給餌ができます。
今回の新入りは全長 60㎝くらいですが、見た目は前者の 4分の 1ほどに感じます。
室蘭でもかわいがられていたのでしょうね。大変好奇心旺盛で、人間にももちろんベタ慣れしています。しかも、混泳の魚とも仲良くしようね!みたいな素振りをするのを見てしまうと、なんて良い子なんだ!と思ってしまいます。
また、アクリルガラス面のコケ取りをしていると、スポンジに(パクッではなく)じゃれついて来たりもします(本当は食べようとしているのでしょうが・・)。

そんなこんなで、見た目と違う魚なんです。

あっ。
どんな素振りかと?
臭いを嗅ぐように吻先で軽く触れて、視線を合わさないようにして、体の後半の一部をピタッとくっつけとくような。
えっ!
押しのけてるんじゃない? 電車の席取りみたい?

柔らかな頭部って。
金魚好きの私にとって、本種の成長とともに発達する頭部肉瘤の触り心地は、ランチュウに似た感触ですよ。
ちなみに、金魚の頭部肉瘤は皮膚の組織が著しく入り組んで、肥厚したものとされています。

太平洋

RSS