2020年09月30日
トリーター:山本

9月テーマ水槽~毎日クラゲ採集~

あっという間に過ぎ去った9月・・・。9月のテーマ水槽では「毎日クラゲ採集」と題して、毎日江の島に行き、その日に採れたクラゲを展示するということをやっていました。海月採取三昧。みなさま、お楽しみいただけたでしょうか?
今回はその結果を報告したいと思います。


日替わりの手書きパネルはこんな感じでした。その日の採集者が自由に書いていましたので、並べてみると、なんだか個性が出ております。
9月1日から30日までの間、江の島周辺に出現したクラゲはなんと・・・31種類! 一か月で 31種類です。正直こんなにたくさんの種類が採れるとは思っていなかったので、びっくりです。しかも、毎日何かしらのクラゲに出会うことができました。途中台風や雨の心配もありましたが・・・坊主なし・・・よかった!
31種類すべてを紹介すると日が暮れてしまいますので、出現回数が多かったクラゲをランキングでご紹介します。

第5位 二ホンベニクラゲ(12回)

9月の中盤から後半にかけて、追い上げるように出現回数が増えてきました。「不老不死のクラゲ」として有名です。生産室にもたくさんいますので、しばらくクラゲサイエンスで展示できると思います。

第4位 カブトクラゲ(18回)

9月前半によく出現しました。時に大量発生し、数えきれないくらい採れたこともあります。最近はポツポツと・・・。もしかしたら、沖の方にはまだたくさんいるのかもしれません。

第3位 オベリアクラゲ(21回)

1~ 2㎜くらいと、とても小さいクラゲですので、水槽に入れても見つけるのが難しかったかと思います。拡大するとこんな感じです。フワリフワリというよりは、パッパッパと忙しなく動く姿がかわいくて、私は大好きです。

第2位 カラカサクラゲ(25回)

2位は主に外洋で生活しているカラカサクラゲです。比較的、未成熟な小さいサイズのものがよく出現しました。一か月後には大きいサイズのものが出現する・・・かも。

第1位 エイレネクラゲ(28回)

ほとんど毎日出現しました。雨の日も、風が強い日も、エイレネだけは裏切らない・・・。時に小さいものから大きいものまで大量発生して、エイレネパーティーが開催され、水面がポコポコと賑わっていました。江の島の周りにいったいどれだけのポリプがあるのでしょうか・・・。こちらも生産室にたくさんいますので、クラゲサイエンスでしばらく展示する予定です。

31種類のクラゲたちがいつ出現したのか、ぱっと見でわかるように表を作ってみました。黒く塗りつぶされているところが「出現を確認した」ことを示しています。


われわれはこれを「クラゲカレンダー」と呼んでいます。こう見ると、何となーく連続して出現していたり、突発的に出現していたり、いろいろとわかることがあります。
これを毎年繰り返し、データを蓄積することで、年毎に比較したりして「今年は○○が多かったねー」とか「そろそろ××クラゲが出てくるかなー」なんてことがいえてくるのです。

実は、江の島に採集に行って、全くクラゲが採れない日って一年を通してもそんなにないんです。それくらい、クラゲって普通にそこらへんにいる生き物なんです。海水浴とかで飲んでます。多分。
9月のテーマ水槽では、そんな身近にいるクラゲたちの存在をみなさまに感じていただきたかったのですが、いかがでしたでしょう。個人的にはやっててとても面白かったので、またどこかでできたらなーと思っています。一年間毎日採集したら、いったい何種類を見つけることができるのでしょう・・・。
クラゲ採集自体はそこまで難しいものでもないので、興味がある方はぜひ、自分だけの「クラゲカレンダー」を作ってみてはいかがでしょうか。

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