2020年10月13日
トリーター:山本

えいれーねー

只今、クラゲサイエンスでは「エイレネクラゲ」が絶好調です。江の島で採集してきたものを展示しているのですが、ぐんぐん成長し、かなり見ごたえがある状態となっております。みなさまにぜひ見ていただきたい!・・・ということで、今回はこの「エイレネクラゲ」をご紹介します。


和名:エイレネクラゲ
学名:Eirene menoni
分類:刺胞動物門 ヒドロ虫綱 軟クラゲ目 マツバクラゲ科 マツバクラゲ属

傘は透明なおわん型で、4本の放射管上に、ちょっと緑がかった生殖巣が形成されることが特徴です。大きさは、大きいもので傘径 3㎝前後ほどと、このグループの中では比較的大きい種類です。江の島では8月から12月くらいまで出現するので、エイレネが出てきたら夏だなー、いなくなったら冬だなーって感じです。ときに大量発生し、水面をぽこぽこ賑わせます。
このエイレネクラゲの「エイレネ」は、属名「Eirene」のこと。では、Eireneって何でしょう。調べてみると、ギリシア神話に登場する平和を司る女神「エイレーネー」のこと、そこからそのまま「平和」を意味する言葉と出てきました。ではなぜその名前が付けられたのか、初めてマツバクラゲ属「Eirene」が記載された1929年の文献を当たってみたのですが、記述を見つけることができず、解決できませんでした・・・。もし知っている方がいたら、ぜひとも教えてください。

さて、このエイレネクラゲですが、そこそこのサイズがあり、見た目も綺麗なので、展示する側からするとありがたい種なのですが、ちょっと困ったところもあるんです。それは、他の自分より小さいクラゲを食べてしまうということです。珍しいクラゲが採れた時、同じ容器に入れていたらあっという間に食べられてしまったという苦い思い出があります。別の容器にいれておけば大丈夫。この時期いろいろな場所で採れると思いますので、気になった方はぜひ探してみてください。しばらくはクラゲサイエンスでも見ることができますので、“えのすい”にお越しの際はご覧ください。

クラゲサイエンス

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