2020年11月19日
トリーター:山本

外洋系クラゲパーティー

本日、江の島の漁師さんに「最近沖にクラゲがいっぱいいるよー」と教えていただき、急遽船で江の島沖まで行ってきました。すると、沖の潮目でとてつもない数のクラゲに遭遇・・・!普段はなかなか見られないような、外洋で生活するクラゲをいろいろと採集してきました。


うわあ。網を水中に入れると、狙ってもいないのにどんどんクラゲが入ってきます。たくさん採って、状態が良いものはきょうの昼ごろからクラゲサイエンスで展示しています。そこで、きょう採れたクラゲをいくつかご紹介します。


カラカサクラゲ

江の島の漁港では、ちらほらとほぼ一年中採集することができる種類です。名前は「唐傘」から来ています。自分よりも小さい他のクラゲを食べてしまうので、採れた時には注意が必要です。普段採集されるサイズは大きくても1cm程ですが、今回採れたものはかなり大きく、傘径が 3cm弱ほどあります。船の上からも余裕で見えるくらいの迫力です。


オビクラゲ

私がクラゲの中で最も綺麗だと思うクラゲの一つです。透明色。別名「ヴィーナスの帯」とも呼ばれます。有櫛動物門に属し、毒針を持った所謂「クラゲ」ではなく「クシクラゲ」の仲間です。よーく観察すると、櫛板がピロピロと動いているのが分かります。

ヨウラククラゲ



カツオノエボシなどと同じ、管クラゲの仲間です。群体と呼ばれる構造をしており、体は少しの衝撃でバラバラになってしまいます。こんなに完璧な状態で搬入されることはかなり稀ですので、思わずたくさん写真を撮ってしまいました。お時間のある方はぜひじっくり観察してみてください。


ハダカゾウクラゲの仲間

「クラゲ」と名の付く生き物ですが、広くいえばクリオネなどと同じ「貝」の仲間です。殻を持たない貝だから「ハダカ」、吻が細長くゾウの鼻のような形をしているから「ゾウ」と、それぞれ名前に入っているんですね。それに加え、透明な体でくねくねと動くそのようすは、クラゲにそっくりです。正直、船の上からはクラゲだと思って採り、近くで見てようやく気が付きました。全世界の温熱帯海域に分布し、日本では太平洋沿岸域で見られるそうです。こんなにきれいな個体は初めて見ました。不思議な動きが面白い・・・。

外洋で生活するプランクトンたちは、飼育が難しい種類ばかりです。もしかしたら短期間の展示になってしまうかもしれません。ぜひこの機会にごらんください。

クラゲサイエンス

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