2020年12月15日
トリーター:笠川

日輪

ニチリンクラゲニチリンクラゲ

クラゲ採集は、漁港などの岸壁から水をさらうようにして行います。
ここ最近非常にいい潮が入ってきています。プランクトンがとても豊富です。カイアシ類やヤムシなど、多種多様で、なんといっても外洋性のクラゲが結構入ります。
今まで見つけても、ほんの数個体や、稀に獲れたという感じでしたが、今年は例年とはだいぶ違います。潮の流れが変わったのでしょうか。
非常に面白いのですが、逆をいえば、海の環境が何かしら変化しているということでしょう。生き物を通じながら、今後も見ていきたいです。

この影響もあって、ここ最近、改めてクラゲの美しさや不思議さに心躍っています。鐘泳亜目の仲間や胞泳亜目の仲間がとてもいい状態で採集できています。とても綺麗です。
今までは、採集できたとしてもバラけてしまい不完全な状態で、元気のないものが多かったです。図鑑でその全貌を確認している状態でしたが、実際に自分の目で、元気よく動く姿を見るのはやはり違います。

あと、つい先日驚いたのが、ニチリンクラゲです。
漢字で書くと、日輪水母。(日輪という漢字、最近よく目にしますね。)
このニチリンクラゲ、姿が変わっています。他の多くのクラゲとは違い、触手が前向きにバンザイしています。見た目は、まるで鉛筆で、まつ毛バシバシの目玉を描いたような、太陽(日輪)を描いたようなクラゲです。非常に線が細く見えにくいです。でも、泳ぎ方がインべーターゲームのようにペポぺポと泳ぐので面白いです。

ニチリンクラゲ、今まであまり獲れることがなく、またあまり生きたことがなかったので、その生態をよく知りませんでした。こんなに餌を食べるなんて。ほぼ体全部で食べているかのように、餌のブラインシュリンプがみっちり入ります。むしろ、餌の塊が動いているようです。驚きました。
これが飼育してみて見えた姿。飼育がうまくいくと長い時間観察することができ、その生き物のさまざまな姿を見ることができます。

クラゲは長く飼育することが難しいものが多いですが、これからもいろいろなクラゲのさまざまな部分をこの目で見ていきたいなと思うきょうこの頃です。
流行りにのった?日輪水母、ぜひご覧ください。いつまで展示できるかはわかりませんのでご了承ください。

クラゲサイエンス

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