2021年02月25日
トリーター:八巻

深海生物採集の季節がやってきた!

こんにちは、八巻です。
今年もやってまいりました!深海生物採集の季節です!
冬季は表層の水温が下がるので、深海生物のすむ水深と表層の水温差が少なく、より良い状態で採集できるのです。
ですから、毎年この時期は底引き網漁の漁船に乗船させていただき、深海生物採集を行います。
底曳網漁ではメンダコはじめ さまざまな種類の生物が混獲されるので、それを漁師さんから分けていただいているのです。
しかし、冬季は海が時化ることも多く、なかなか予定通りに乗船できません。
今年も何度も予定が流れ、ようやく本日初乗船となりました!

とはいっても、今回乗船するのは私ではなく、深海班の他のトリーター 2人が行ってくれています。
私は水族館に残り、持ち帰ってきた生物の搬入を手伝う係です。
実は去年は全て乗船組だったので、今回は初めて搬入組として生物の帰りを待つことになりました。

乗船組は今日の未明から底曳き漁船に乗船し、一日かけてさまざまな生物をキープしてきてくれます。
この時期はたとえ出航できても揺れることが多く、船の上は過酷です。
しかし、貴重な機会を最大限活かすことができるよう、準備万全で臨んでくれています。
朝 無事乗船の知らせが届いてから、続々と近況報告が届き、どうやら順調に深海生物採集を行えているようです。
夕方には無事生物を積み込んでこれから帰るとの連絡がありました!

私たちは乗船組がキープしてきた生物を、できるだけ効率よく良い状態で搬入するのが仕事です。
夕方乗船組から大体の採集生物リストが届くので、その生物をどの予備水槽へ搬入するか、リストを作成して整理します。


そして、小分け用のカゴや大型生物を運ぶための担架など、搬入道具を準備して到着を待ちます。



夜になり、いよいよ乗船組のトラックが到着です!


あとはひたすら決めておいた予備水槽へ搬入します!




輸送中は生物同士が当たって傷つかないようにタッパーにいれておきますので、搬入直後の予備水槽はタッパーだらけになってしまいます。


これを改めて数を数えながら水槽へ放流し、搬入完了です!


その後、魚類は薬浴をしてトリートを行いながら、展示に向けて準備を進めていきます。


採集してきた生物を展示開始する際は、えのすいホームページの新着生物などで順次お知らせしていきます。
今回はエビ類の繁殖にも取り組んでいくつもりです。
採集してきた生物をできるだけ長く飼うことはもちろん、前回のトリーター日誌でも書かせていただいた通り、繁殖に成功すればより持続可能な展示になります。
さらにはどんな生物を採集したのか、数や傾向を記録に残すことで、採集海域の生物相を知ることができます。
海をよく知り、普及し、持続可能な展示を目指す SDGs に向けた取り組みをこれからも継続していきます!

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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