2021年07月31日
トリーター:北嶋

なぞの発光生物を探せ

“えのすい”では、ダークアクアリウムというイベントを不定期で行っています。夜、真っ暗になった館内で生き物を観察するイベントです。
このイベント中、イベント担当からトリーターに「岩礁水槽が光っている」という連絡が入りました。連絡を受けたトリーター2名が水槽を確認しに行くと、水槽の岩肌や海藻に青白く点滅する光がちらほら。見てみると、ヨコエビっぽい?なにか生物が発光しているのでは。という話を翌日聞きました。

岩礁水槽に発光生物が以前よりいることは知っていました。昔、潜って掃除をしているときに閉館したタイミングで照明を落とされてしまい、真っ暗闇で落ちた海藻のクズを拾うと、キラキラというよりギラギラくらいの勢いで青白い光が瞬いてとてもキレイで、そのときに知りました。以降、岩礁水槽で掃除をする時はバックヤードを真っ暗にして、ひとり海藻クズをかき混ぜて光るのを楽しんでいました。この時は、刺激で光る夜光虫が落ちて海藻クズに絡まっているんだな、くらいにおもっていて、たいして調べることもせずにいました。

今回の発光している話を聞いて、暗くなった岩礁水槽を教えてくれたトリーターと一緒に見に行きました。そうすると、たしかに岩肌か海藻かに付着しているものが点滅して光っています。
夜光虫ならば水面にいるはずなので、違う生き物っぽいです。光るのは、何かしら意図があって(ホタルみたいに)時々光るものなのか、水流や泳いでいる魚の動きによる刺激で光っているのかはちょっとわかりません。

これは正体を知りたい!
ということで、水槽に潜るたびに海藻カスや、岩肌を吸い取ったものを、バットに入れて、生き物をより分け、探してみることにしました。

いるいる、ミクロな生き物がたくさん!
ヨコエビ、ワレカラ、タナイス、ゴカイ、ヒトデ、コペポーダ・・・とても豊かな生態系がこの水槽でできあがっているのを感じます。
より分けた後に光るかどうか見てみましたが、光りませんでした。
つぎは真っ暗な部屋で、光っているところにパッと懐中電灯をあてて、その生物をつかまえよう作戦にしてみました。
海藻クズをピンセットでかき混ぜると、光る光る。
光っているところに狙いを定めて、そこだ!と照明を当ててみてみると、あれ?誰もいない?というか、小さすぎる?

とりあえずそれっぽいものを捕まえて、顕微鏡で見てみたりしましたが、一度光るともう光らなくなるよう(多分しばらくは)で、本当にそうなのかあやしい。
なかなか正体が掴めません。
光は肉眼で見るとけっこうな強さの光なのですが、写真や動画で撮影しようとも映りません。
もしヨコエビだったら大発見だとおもうのですが、違うような気もします。
発光生物は1種類だけではないような気もします。
いったい君は誰なんだい?
捜索はまだ続きます。

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