水族館と八百屋さん。
関係がないように思うかも知れませんが、水族館にとって八百屋さんはとても重要な関係です。
太平洋・暖かい海のナポレオンフィッシュがいる水槽に、日中レタスが漂っています。私たち飼育員は見慣れた景色なので、いつも通りだなと思っていますが、先日水槽を見ているお客さまが
「え!?水槽内に葉っぱ?あれ、レタスだよね?なんでレタスが入っているの?」と言っているのを耳にしました。
初めて見る方は、きっと水槽内に野菜が入っているとびっくりしますよね。
魚が野菜を食べる!?
私も初めて見たときは衝撃的でしたが、毎日見ていると普通になってしまうのですね。
このレタスはミヤコテングハギのごはんです。
ミヤコテングハギはスズキ目ニザダイ亜目ニザダイ科に属する魚で、グレーの体に目から口先の黒いラインとオレンジ色のおちょぼ口がとてもかわいい種類です。
ミヤコテングハギは海藻を食べる藻食性なので、“えのすい”では海藻の代わりに葉物野菜をあげています。
朝、ごはんのレタスを入れると勢いよくついばみます。
お昼前にはレタス 1枚をぺろりと食べてしまします。
ミヤコテングハギが美味しそうにレタスを食べていると、モンガラカワハギも一緒にレタスをつまんで食べています。
硬い歯と強靭なアゴをしているので、本来は甲殻類などを好んで食べますが、まれに付着生物や藻類なども食べるので、ミヤコテングハギと一緒になかよくレタスを食べています。
“えのすい”では、ミヤコテングハギ以外にもカピバラやアオウミガメたちにも野菜をあげています。
カピバラにはキャベツ、チンゲンサイ、カボチャやリンゴ、アオウミガメにはキャベツ、レタス、小松菜、白菜などなどいろいろな種類の野菜をあげています。
アオウミガメも主に海藻を食べている種類なので、海藻の代わりに葉物野菜をあげています。魚やカピバラ、ウミガメたちのご飯をトリーターは週に 1回八百屋さんに買い出しに行っています。
水族館と八百屋さんはつながりがないようで、実はつながりの深い関係なのです。