2021年10月03日
トリーター:櫻井

魚とクラゲは仲良し・・・?

先日趣味のシュノーケリングをしていると、大きなタコクラゲがたくさん泳いでいました。

「こんなに大きくて大量のタコクラゲ、久々に海で見たなー』、と感動して一緒に泳いでいると、なんと口腕の所(長い付属器)に小魚が付いているではありませんか。

クラゲが小魚を捕えていたわけではありません。
タコクラゲは根口クラゲ目に分類され、口がとても小さく、プランクトンを主食とし小魚などを捕らえて食べることはありません(体内に褐虫藻が共生しており、太陽光で光合成して得られたエネルギーを褐虫藻からもらっているのでそこまで摂餌に頼らなくてもよい、というのはまた別のお話で…)。

クラゲは魚をしたがえていることがあり、その微笑ましい絵づらから、共生していると思われるかもしれません。


タコクラゲとアミメハギの稚魚

これは、クラゲにとってのメリットは特にないといわれており、魚が小さい時期にクラゲの毒によって外敵から身を守ってもらおうと、一緒に泳いでいるだけのようです。
場合によっては、身を守ってもらうついでにクラゲを食べちゃうことも。
この場合は魚のみに利益があり、かつクラゲに害を及ぼしているので、片利共生どころか寄生といえます(そもそも寄生は共生の一種ですがそれはまた別のお話で...。)
自然界ではとても興味深い、生物間での相互作用が織り成されています。
化かし合い、利用し合い、協力し合い、自分が生き抜くために必死な微笑ましかったり残酷だったりするそのようすは、我々の目にはどう映り、どう感じるでしょう。

自然界で起きている、その種の生きざまをみなさんにお伝えするにはどうしたらよいか、日々展示手法を考えています。

魚とクラゲの混泳水槽は、私の長年の夢ですが、ぜひ実現させたいと思っています。
気長に待っていてくださいね。
案外、近々、別の混泳が見られるかも・・・?

クラゲサイエンス

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