2021年10月17日
トリーター:加登岡

展示更新情報!

みなさんこんにちは。
久しぶりに「展示更新情報!」をお届けしたいと思います!!

今回は見られる可能性がかなり低く、よーく探して見ても生き物の気分次第で見られない場合がある、そんなレアな生物の紹介です。
「太平洋」のカクレクマノミがいる水槽と「皇族ご一家の生物学ご研究」にて展示の更新をしたのでご紹介いたします。

タナバタウオ
スズキ目タナバタウオ科
学名:Plesiops coeruleolineatu
採集場所:須崎


日本では伊豆半島から南の沖縄県まで生息しています。
比較的浅い場所の岩礁域や岩の下などに隠れています。水槽内でも岩の下に隠れていることが多く、時折姿を現します。
このタナバタウオは、濱田トリーターが初めて採集に行って採ってきた生物です。一つ隣の水槽には同じタナバタウオ属のシモフリタナバタウオがいますので、発見できたら体の形の違いを観察してみてください。


フリソデエビ
十脚目フリソデエビ科
学名:Hymenocera picta


インド洋、太平洋に広く分布し、日本では静岡県より南に生息します。
ヒトデしか食べないという変わった食性で有名なエビです。自分の体よりはるかに大きなヒトデを引っ張ってしまいます。
フリソデエビも岩の下に隠れてしまうことが多いため、単独かペアで小さな水槽に展示することが多いのですが、今回はあえて大きな水槽で展示を試みています。
自然界に近い環境での展示のため、その分発見しにくいですが、見つけた時はきっとうれしくなる?と思います。
水槽左下の黄色丸の部分の岩陰にヒトデを抱えながらいることが多いです。


タネハゼ
スズキ目ハゼ科
学名:Callogobius tanegasimae
採集場所:酒匂川


日本では静岡県、三重県から沖縄までに生息しています。しかし、近年神奈川県でも記録され、展示個体も神奈川県内で採集されました。河川や河口付近の浅い場所に生息しており、今回も酒匂川で採集されました。
オキナワハゼ属の仲間は体が小さいのですが、その中でも大きい方になります。一緒に展示している他のオキナワハゼ属の仲間と、体の大きさを比較してみてください。
展示ではサンゴ礫の下に隠れています。時折隙間から顔を覗かせているので探して見てください。



今回紹介した3種は生物の本来の隠れている姿を見られる分、そもそも見られない可能性があります。しかもタナバタウオとフリソデエビは種名板もありません。
この日誌を読んでくれた方だけが存在を知ることになります。
ぜひじっくり探して見てください。
※見つからなくても、野生の生き物ですのでご容赦ください。外敵に見つからないように上手く隠れていると思ってもらえると幸いです。

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