2022年01月03日
トリーター:戸倉

お客さまをお迎えする前に!

水族館から朝の富士山を望む水族館から朝の富士山を望む

あけましておめでとうございます。

新江ノ島水族館は、元旦より営業をしております。
今日(3日)まで9時開館でしたが、明日(4日)からは 10時開館となります(今週末は再び9時開館です)ので、ご注意くださいね。
私たち“えのすいトリーター”は飼育動物を担当しています。
当然動物たちは、年末年始や大型連休、お盆など、関係ありませんよね。ですから私たちも動物中心の勤務体制ですが、お休みは担当者内でシフトを組んで順番に取ります。

さて、前記の通り、開館時間が9時になったり 10時になったり・・ 実はお客さまをお迎えする準備をする我々にとっても、この1時間の違いは大きな違いとなります。
そこで今日は、開館する前の作業として、いったい何をしているのか? 展示飼育チームで魚類を担当している私を例にとって、ご紹介したいと思います。

この写真は、私が出勤する時の風景です。
外国みたいですが 片瀬江ノ島駅から歩いて国道 134号線に出て、少し進んだところで振り返ると、今はとってもきれいな朝焼けが見られます。
そう、夜明け前です。
コロナ禍に伴い、なるべく電車も空いている早朝を選んでこの時間に来ています(6:20頃)。

まず、出勤すると・・・

○前日までの動物の状況を確認するために、作業日誌や、パソコンに記入されているデータを見ます。
この確認作業で 30~40分はかかります。
○次に、パブリックスペースからでないとアクセスできない水槽の水質チェックを行います。
水槽のフタを大きく開いて行う作業なので、なるべく開館前におこなうようにしています。
(「皇室ご一家の生物学ご研究」の各水槽や、「テーマ水槽」がそれにあたります。)
○その他、その日の当番の場合は、ヒカリキンメダイの給餌を行います。
現在、「太平洋」のチンアナゴがいる水槽に、ヒカリキンメダイが 10匹ほどいるのですが、彼らは暗くないと表に出てきません。
ですから、ほかの水槽や館内の照明が点く前の、まだ暗い状態じゃないと給餌ができないのです。
○続いて、動物たちに与える餌づくりと給餌を行います。
開館前に終わらせておきたい場所の分を作ります。主に前記の水質チェックを行った場所と重なりますね。
そして、その作った餌を給餌します。

「皇室ご一家の生物学ご研究」で展示飼育をしている生き物たちの給餌「皇室ご一家の生物学ご研究」で展示飼育をしている生き物たちの給餌テーマ水槽の給餌テーマ水槽の給餌

○最後に水槽の掃除をおこないます。
ガラス面に付いたコケを除去したり、水槽の底に沈殿している汚れを取り除いたり、日によっては水槽や濾過槽の換水掃除を行ったり・・・
換水とは、水槽の水を一定量取り除いて、新しい水を入れる作業ですが、どうしてもパブリックスペースにホースを引いての作業となりますので、開館前に終わらせる必要があります。

以上のようなさまざまな作業をおこなった後に、お客さまをお迎えする準備が整ったら開館します・・
ん~? いやいや違う違う。
『開館時間までに、お客さまをお迎えする準備を全て終わらせる。』が正しいですね。
ということで、とにかく朝はバタバタです。

前記したように、これは私の作業パターンであって、担当が違えば作業内容も全く違いますが、開館時間までに準備を終わらせる。という点は同じです。
気持ち的には、開館すると一段落ですが、引き続き、バックヤードにも沢山の動物たちが待っていますので、順番に掃除や給餌をおこなっていきます。
ということで、毎日毎日、丹精込めて準備した水槽を、自信をもってみなさまにご覧いただきたいという気持ちでおこなっておりますので、(流して見ずに)ぜひゆっくりと水槽を眺めてくださいね。

最後に、今の時期、閉館間際の夕日もとてもきれいなのでご覧ください。
さすがに朝焼けは難しいですが、“えのすい”から眺める夕日は絶品ですよ!

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