2022年04月17日
トリーター:佐野

吸うお話

桜の花もまもなく終わりの時期ですね。
風もないのにすごい勢いで散っている木があればメジロの仕業かもしれません。
桜の時期は、桜の甘い蜜を吸うために木の上にメジロがまさしく目白押しになっていることがあります。
細いくちばしを花の奥の方へ突っ込んで花から花へせわしなく飛び回ります。
同じく蜜を吸いに来たヒヨドリが登場するとメジロは一斉に飛び去って行ってしまいます。
鳥が花の蜜を吸うようすは昔から絵に描かれたりして人を惹きつけて止まない光景です。きょうは違う意味で目を引きつけさせられる「吸う」お話。
トゲチョウチョウウオが首を横に振っていました。
あやしい。
薬の液に漬けると数日で普通の泳ぎ方になります。
鰓(えら)にウーディニウムという寄生虫が取り付き、血を吸ってしまうのです。
これで死んでしまった魚の鰓(えら)は真っ白になっていることが多いです。
恐ろしい。

クサフグのお腹に細長い茶色い物が付いていました。ウオビルの仲間です。体表に取り付き血を吸います。

金魚の頭に白い何かが乗っていました。ウオノエの仲間です。さながら帽子のごとく貼り付き体液を吸っています。見方によってはかわいい顔をしているので寄生虫の中ではファンの多いウオノエです。

水槽の外でも油断なりません。お昼ご飯のブリの照り焼き。おいしいひとときに期待しながら身を割ると出てきたのは15cmほどの長い虫…ブリ糸状虫です。筋肉に侵入し、血を吸います。人が食べても害はありませんが見た目に絶望します。

メジロの吸蜜の話と温度差がありすぎてもはや全く違う話に感じますね。みなさんはどっちの吸うに惹かれますか??

トゲチョウチョウウオトゲチョウチョウウオクサフグクサフグ

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