2022年08月23日
トリーター:櫻井

季節来遊魚(死滅回遊魚)

待ちに待った季節がやってまいりました。
毎年夏の終わりごろから秋にかけて、暖流、黒潮に乗って南方系の魚が温帯域に流されてきます。本来は生息していない、温帯域の海に、熱帯性の魚が期間限定で見られるのです。
冬の冷たい水温には耐えられず死んでしまうことから、片道分の切符でやってきたかのごとく、死滅回遊魚と呼ばれています。最近では、季節来遊魚という名前の方が一般的ですね。
これは無効分散といって、生息域を広げるための戦略でもあるのです。最近は海水温も上がり、越冬個体も増えてきているようです。

今回は、難しい話は置いといて、先日趣味のシュノーケリングをしていて、20年以上もの間追い求めてきた魚を今年ようやく観察できましたのでご紹介します!

ツユベラツユベラ

オレンジが鮮やかすぎるツユベラです。西表島で見ましたが、関東圏で見られることにただならぬ感激があります。最近何例か見られています。
ベラの仲間は、幼魚のうちはこのように鮮やかできれいな色彩のものが多いですが、たいていおとなになると地味になります。しかし、このツユベラはおとなになるとさらにきれいになります。

クロハコフグクロハコフグ

ミナミハコフグは季節来遊魚としては珍しくありませんが、クロハコフグは最近見られるようになってきた種で、なかなかレアです。
かわいいですね…。

何尾か採れたら、展示してみなさんにお見せできるかもしれませんのでお楽しみに!(現在展示している種ではありません)

20年以上追い求めているベラはまだ何種類もいますが、カンムリベラはぜひお目にかかりたいです…。

相模湾ゾーン

RSS