2022年11月03日
トリーター:渡部

5日間の航海を終えて

みなさん こんにちは。渡部です。
10月 17日から 21日まで、広島大学生物生産学部附属練習船「豊潮丸」に乗船しました。
初めての調査航海でしたが、とても良い経験をすることができました。
今回は高知県沖を調査地点として、北里大学海洋生命科学部の先生方、学生のみなさん、八巻トリーターとともに、深海の生物を中心に採集調査をおこないました。
船上でのようすを詳しく知りたい方は、ぜひ [フィールド活動(豊潮丸 高知沖生物採集航海 1~5 ]を読んでいただきたいのですが、数々の乗船経験がある八巻トリーターもちょっとつらい・・・ というくらい海が荒れている日がありました。
私はばっちり酔い止めを飲んでいましたが、全く効かず、とてもつらかったです・・・(泣)
そんなつらい酔いも吹き飛ぶくらい、今回の調査では貴重な深海の生き物を見ることができましたので、ご紹介したいと思います。

ギガントキプリスの仲間ギガントキプリスの仲間

こちらはギガントキプリスの仲間です。
オレンジ色の飴玉のような見た目をした不思議な生き物です。
さまざまな深海生物の図鑑に載っていることや、以前タレントの中川翔子さんが推し生物として紹介していたことから、ご存じの方も多いかと思いますが、実は、日本では報告例がほとんどありません。今後、種類を特定し、研究をおこなう必要があることが分かりました。
こんな貴重な生き物に出会うことができるとは思っていなかったので、驚きました。

ギガントキプリスは飼育が非常に難しく、生きて持ち帰ることは叶いませんでしたが、今回の調査では、小さなカニの仲間やウミシダなどを採集し、“えのすい”に持ち帰ることができました。
帰る時には、途中のサービスエリアで生き物の状態を確認したり、水温が上がらないように気を付けました。こうしたトラックでの生き物の輸送は初めての経験でしたので、緊張もありましたが、無事に持ち帰ることができて良かったです。

トラックで生き物を運ぶようすトラックで生き物を運ぶようす

今回、悪天候の中でも安全に最大限の調査をおこなうことができたのは、豊潮丸の船長をはじめとする乗組員の方々のお力があってのことです。
この場を借りて深く感謝いたします。

この気持ちを忘れずに、“えのすい”に持ち帰った生き物たちを大切に展示していきたいと思いますので、ぜひご覧ください!

5日間お世話になった豊潮丸5日間お世話になった豊潮丸

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