2022年11月13日
トリーター:西川

やけどをしたサカタザメ

サカタザメ背面サカタザメ背面

サカタザメ腹面サカタザメ腹面

腹面のサカタザメ、かわいくないですか?
こちらを見ているように見えますが、眼に見える部分は私たちでいう鼻の孔です。もちろんこちらが見えているわけではないのですが、水槽側から覗かれているような感じがします、、、
そんな愛嬌のあるサカタザメを展示しようと考えていたところ、水中ヒーターで背中をやけどしてしまいました。

やけどをした患部やけどをした患部

皮膚が大きく傷ついています。
こうなってしまったときに一番厄介なのは、やけどの傷ではなく、二次的に感染する細菌や寄生虫です。細菌が感染しないように薬を塗って予防し、寄生虫を発見すれば駆虫します。今回は治療の途中で寄生虫が付きましたが、早い段階で発見することができたので、薬を使った治療ですぐに完治しました。

それによってやけどの状態が悪化することはなくなりましたが、怪我のダメージでなかなか餌を食べてくれず、、、そのままにしておくと魚たちは餓死をするまで食べてくれないことも少なくありません。食べて栄養を摂ってもらわないと治る傷も治らないので、口の中に餌を入れてあげることにしました。

このようにしてサカタザメのようすに注意しながら約1か月半治療を続けた結果、やけどの状態はここまで回復しました。

1か月半後の患部1か月半後の患部

皮膚が傷ついて赤くなった部分が小さくなって白くなり、見た目で傷の状態が良くなったことがわかります。
自力で餌も食べるようになって、体力も回復してきています。治っていくようすを見ると嬉しいものですね。この調子で皮膚の表面まで完全に治ってほしいです。

今回のサカタザメからは、細かく状態を観察して、その魚と傷・病気に合った治療をすると、ちゃんと回復していくことを学びました。
サカタザメは水族館に入ってすぐの水槽で展示しています。この個体ではありませんが、ぜひサカタザメの愛嬌を感じてみてください。

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