相模湾大水槽では「えのすいトリーターとさかなたちのふれあいタイム」というショーをおこなっています。このショーの中では魚たちがトリーターの周りを一緒に泳いだり、抱っこされたりと、魚たちが遊ぶ姿を見ることができます。
魚たちはトリーターと練習を経て、ショーにデビューをしています。
昨年はマツカサウオと練習して、トリーターが呼ぶと来てくれて、一緒に泳げるようになりました。
ちなみにショーにデビューできると名前が付きます。
マツカサウオは「タイヤキ」です。
今年も新たに新メンバーと練習を重ねてショーデビューさせることができました。
その種類は「マダイ」です。相模湾大水槽にはマダイがたくさん泳いでいますが、その中の 1匹だけが、ショーに参加しています。うおゴコロを知っているファンのみなさまならわかるかもしれませんが、うおゴコロの歴史の中で、マダイがショーに参加することは今までありませんでした。ショーに参加できるようになった子は、何の気なしに潜っているときに、水中で私と目が合い、この子ならいけるとビビッと直感的なものを感じたのです。
トレーニング初期は手から餌を食べることに慣れさせることから始まります。これはつまり、人への警戒心を取り除くことにあたります。ここがクリアできると比較的トレーニングはスムーズにできるのです。あとは餌を持った手をターゲットにして、魚を誘導し、ちょっとずつ、餌を見ることから手を見ることにすり替えていきます。次第に学習により、手に餌を持っていなくても、手だけを追うようになっていき、好きなように一緒に泳ぐことができるのです。
ショーデビューを果たしたこのマダイ、名前が授けられます。
その名前は…「メジャー」です。
え、名前のセンスが… と思った方すいません。
名前の由来は学名からきます。私が大学に入学した最初の講義で、某教授から魚の学名を覚えろと教わりました。
その最初に習ったのが、マンボウの「Mola mola」、ニホンウナギの「Anguilla japonica」、そして、マダイの「Pagrus major」でした。そんな私の思い出から、学名の種小名よりつけました。ちなみにラテン語で「より大きい」という意味です。
この名前を付けたあとに、他の人からマダイが主流な魚(メジャーな魚)だからその名前にしたの?といわれ、確かにそっちの意味もあったと気づきました。
「メジャー」は人の識別をしているのか、特定のトリーターの時にしか登場しないようです。
後はトリーター側から個体識別をするのが難しいので、参加ができないのかもしれません。
トリーターの周りをぐるぐる泳ぐマダイがいたらそれが「メジャー」です。ぜひ、探してみてくださいね。