2023年06月10日
トリーター:城戸

旅立ち

フンボルトペンギンは日本で一番多く飼育されているペンギンで、およそ80園館に、1,800羽ほどが飼育されています。

このペンギンたちの遺伝的多様性を保ちつつ、繁殖を続けていくために全国の動物園・水族館で協力をして、ペンギンたちの移動などをしています。

“えのすい”でもこの度、鳥羽水族館に「コウ」と「サチ」を、おたる水族館に「サン」と「レイ」を搬出しました。
先に搬出したのは「コウ」と「サチ」だったので「あれ?まだ『サチ』ごはん食べに来てないよね? ・・・あっ、いないんだ」「体重測定『コウ』やってないけど・・・いないのか」といないことに慣れない日々を過ごし、「サン」と「レイ」がおたる水族館へ出発すると「ペンギンの数が少ない!!!」とより感じるようになりました。

「レイ」は人懐っこく、しゃがんでいる側に寄って来て、撫でてとねだるくらいでした。
「サン」は私が入社し、初めて産卵・育雛を見守ったペンギンでした。
「サン」の子育ては少し大変で、数年前にアクアワールド茨城県大洗水族館にいった「ムーン」と 2羽で育ったのですが、途中で父親が死んでしまい、母親の「ハク」と私たちで子育てをしました。
私自身がペンギンの子育てを見るのが初めてだったので、分からないことばかりで、「サン」と「ムーン」にいろいろなことを教わりました。
印象的なのは、初めて「サン」がプールで泳いだとき、浅いプールでしたので泳ぐというより、水に浸かっているくらいだったのですが、なかなか羽が乾かず、それを心配しすぎて、ドライヤーで乾かしたことです。

今ならわかります! あれは乾かす必要はなかった(笑)
「サン」も初めて水に入ったのに、私が大騒ぎして、乾かされ、可哀そうでした。
当時の私は必死だったので許してほしいです。

そこから約11年いろいろなことを学ばせてもらいました。今後は、おたる水族館で「レイ」と一緒に活躍してくれることと思います。

移動したペンギンたちに子どもができると、まるで私に孫ができた感じがして嬉しいです!
今後の 4羽に期待です。

「レイ」「レイ」「サン」「サン」

ペンギン・アザラシ

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