2023年08月11日
トリーター:唐亀

朝の風景

朝 開館前に館内を回っていますと、開館中では見られない場面に出くわすことがあります。
最近では、相模湾大水槽上部の長方形のガラス面「相模の沖(通称長窓)」の擬岩の上にホシエイが留まり、体表をソラスズメダイが突いているのです。

ソラスズメダイは大水槽に広く暮らしていますが、この「相模の沖」のソラスズメダイは最近大水槽にやって来たものです。

ソラスズメダイソラスズメダイ

他の魚の体表を突いて掃除する魚としてはホンソメワケベラが有名ですが、ソラスズメダイがクリーニング行動をするのは聞いたことがありません。見ていても掃除しているというより好奇心から突いている感じです。
ホシエイはヒレの縁等を強く突かれるとびくっとしますが、わりと気持ち良さそうにじっとして突かれています。このときホシエイたちは、尾をサソリのように反らせて持ち上げる、普段あまり見られないポーズをとっています。

ホシエイホシエイ

この場所ではこの時期スズメダイやミツボシクロスズメダイが産卵していることがあります。
一週間ほど前にミツボシクロスズメダイが産卵して、産み付けた卵をオスが世話をしていました。ホシエイは卵の有無などまるで気にすることなく、卵の上にどっかりと居座りました。ソラスズメダイがまたホシエイの体表を突きに集まってくる中、ミツボシクロスズメダイのオスはかなり激しく突っかかっていきます。
ホシエイは最初のうちは軽くいなすような動きをしていましたが、段々エスカレートするミツボシクロスズメダイの攻撃についには退散していきました。
しかし、ソラスズメダイの突きはホシエイ的にはかなり魅力的なのか、また別のホシエイがやってきます。とくにオマンジュウ(尾の無いホシエイの愛称です)は厚顔無恥というか無頓着というか、ソラスズメダイに突かれているのもミツボシクロスズメダイに攻撃されるのもわからないのか、なかなか退散しません。
ミツボシクロスズメダイのオスにとってはなかなかな災難です。

ミツボシクロスズメダイミツボシクロスズメダイ

相模湾ゾーン

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