みなさんこんにちは!
前回、前々回に引き続きテーマ水槽の棘皮動物たちのお話です。
前回はレイアウトの擬岩を作り、無事に展示更新前日に水槽が完成したところまでお話ししました。
生物も入って一安心、、、、と水槽を眺めていたのもつかの間。
水槽の水が!みるみる白く濁っていきます!!
これはどういうことかとびっくりして立ちすくんでいると、バックヤードの水槽と展示水槽の水温の差が刺激になり、ニッポンウミシダが放精・放卵したんだよ、と園山トリーターが教えてくれました。
確かにウミシダたちを見ると、白いものをふわふわと出している個体がいます。
うまく写真は撮れませんでしたが、よく見ると小さなつぶつぶ卵も漂っています。
ウミシダの放精放卵!初めて見た!すごっ!!という気持ちと、これから海水を作って換水しなきゃ、まだまだ帰れないな、、、という気持ちと、きっと私は複雑な表情をしていたことでしょう。
またしても立ちすくんでいる私に、園山トリーターが「ウミシダの飼育繁殖するんでしょ!採水しなきゃ!!」と一喝してくれました。
そうだった!
急いでシャーレを取りに行き、スポイトで卵を採っていきます。
翌日、この卵を見てみると、、、
じわじわ動いています。発生が進んでいたようです!
そしてさらに1週間後に見てみると、
なんだか折れ曲がったお花のようになっていました。
ここから柄の部分が延びるのかな、、、と少しわくわくしながらそのようすを観察していましたが、ウミシダで名高いとある方に見ていただいたところ、これはもうだめになっているよ~と教えていただきました。
ウミシダ類は、自然に放たれた卵以外では受精は不可能なため、受精させるには自然の放卵日を待つしかないということでした。
今回は水温の変化で放精したような感じで、放精放卵の量も自然の放精放卵と比べて全然少ないです。
今回は残念でしたが、ウミシダ類の繁殖につながる貴重なお話をたくさん聞き、またそれに関する論文もたーーーーくさんいただいたので、来年は今年よりも繁殖に近づけるよう頑張りたいと思います!
そんな裏話があったテーマ水槽、11月30日までですので、見にきてくださいね!
関連日誌
[ 2023年10月31日 棘皮動物に夢中 11月のテーマ水槽 ]
[ 2023年11月11日 棘皮動物に夢中 11月のテーマ水槽 part 2 ]