2024年04月07日
トリーター:藤田

あかちゃん展 終了しました!

4月7日で「BABY! BABY! BABY! “えのすい”のあかちゃん展」が終了しました。
ご来場いただいたみなさま ありがとうございました!
こんな感じで水族館に入ってすぐの水槽では “えのすい” 生まれのコンペイトウたちが、園山トリーターやあわたんと一緒にみなさまをお出迎えしていましたよ。

この企画展で私が担当した魚種にカゴカキダイがいるのですが、カゴカキダイは水族館目の前の海岸から、江の島の磯などをはじめ日本中の海でごく普通に見られる魚です。
そんなカゴカキダイのあかちゃんを、海岸水槽のアマモ場を再現した水槽にて展示していました。

カゴカキダイカゴカキダイ

写真でご覧いただいたこちらのカゴカキダイのあかちゃんは、網採集が得意な魚類アルバイトIさんが目の前の海で採集してきた個体です。
ごはんの後で撮った写真なのでお腹がパンパンですね。
成魚とは体の形が少し違っていて背中が盛り上がっていません。
実はこの超普通種のカゴカキダイの採集にめちゃくちゃ苦戦したので、きょうはその裏話をちょこっとご紹介しようと思います 笑

まず企画展の構想段階で、どの水槽にどんな生物を展示できるかを選定します。
そこで私が先輩方からご意見を伺いつつチョイスしたのがカゴカキダイです。
理由は至ってシンプルでこの時期によく見られるおなじみの魚だから、ということだったのですが・・・ いざ収集を始めるとなんと全然見つからないのです!
魚の警戒心の薄れる夜間なら簡単に採集できるはず、と計画を立てても悪天候で採集に行くことすら叶わず。
日中に隙を見つけてはカゴカキダイ採集へ繰り出し、私以外の別目的で採集に行く人にはすかさず「カゴカキダイのあかちゃんがいたら採ってきてください!」と声をかけるも見つからず。
私が「カゴカキダイいませんでした・・・ 」と言って採集から戻ってくるたび、先輩方は口をそろえて「いつも当たり前にいる種とかはいざ探すといないんだよね~」と言うではありませんか!
まぁ確かに、血眼になって探していると魚たちも警戒して隠れ、「カゴカキダイなんて眼中にないですよ~」って感じだと気を抜いてウロウロしている、案外本当にそういうものなのかもなぁと思ってしまいました。

夕方の少しでも潮が引く時間に胴長を着て網を持ち自転車で磯に向かい、必死に探し回っていると念願のカゴカキダイの姿がありました!
しかし網で採集を試みるもあっという間に逃げられてしまい成果なし・・・ 。
逃げられた数日後にリベンジし、少し違う場所でカゴカキダイを見つけたものの惨敗。

日没が迫りタイムリミットに焦る磯採集日没が迫りタイムリミットに焦る磯採集

お恥ずかしい話ですが結局のところ私の力ではカゴカキダイを採集できませんでした。
他園館さんやアルバイトさんのおかげでなんとかみなさまにカゴカキダイのあかちゃんをご覧いただくことができましたが、正直に言うとちょっと悔しいです。
採集スキルをもっと身に付けられるようこれから頑張ります!

カゴカキダイは採れませんでしたがアメフラシやタカノハダイ、イダテンカジカ、ムツなど狙い以外の生き物のようすも見ることができて、どんな種が多いのか、どんな場所を好むのかなどこの時期ならではの魚たちを体感することができました。
今回の経験を次回採集の機会に活かしていきたいと思います!
というカゴカキダイにまつわる裏話でした 笑
(あかちゃん展は終了しましたが、実は相模湾ゾーン 海岸水槽のアマモ場で特別展示されていたカゴカキダイのあかちゃんたち、今は相模湾キッズ水槽に引っ越してくらしていますので今後もちらっと見てみてください。)

さて、話題は変わりますが “えのすい” はもうすぐ開館 20周年を迎えます。
20周年を記念して「 “えのすい” の好きな瞬間フォトコンテスト」を開催中です!
生き物、ショー、グッズなんでもOK、撮影した時期は問いません。
応募期間は 4月 21日までです!

私の好きな瞬間の写真も何枚か紹介します!

元祖ウツボマンション元祖ウツボマンション

これは私がまだお客さんとして “えのすい” へ遊びに来ていたころに撮影した写真です。
タコつぼの中にみっちり詰まったアミウツボ、そして二回り以上は太いウツボがみちぃっと入り込んでいて、この光景に出迎えられる水槽がとっても好きでした。

至れり尽くせりドクウツボ至れり尽くせりドクウツボ

これも上の写真と同じ時期に撮影しました。
太平洋のトロピカル水槽でアカシマシラヒゲエビがドクウツボの前後からクリーニングをしている最中で、「ドクウツボ、最高にもてなされていてさすが!」と思った記憶があります。

ヤツデヒトデピンチヤツデヒトデピンチ

最後に最近撮影した写真もご紹介。
垂れ下がるアマモにぶら下がるヤツデヒトデ。あくまで想像ですが、おそらくアクリル面に張り付いていたヤツデヒトデがアマモを巻き込んでいて、そのアマモに張り付こうとしたらアクリル面から離れてぷらーん、といったところでしょうか。
アマモから落ちたところで水中だしすぐ下に砂があるし、ヤツデヒトデにとって痛くもかゆくもないのですが、必死にしがみついている感じがにじみ出ていて、思わず撮影しちゃいました。

それではみなさんの“えのすい”の好きな瞬間、お待ちしてますね!

“えのすい”の好きな瞬間 フォトコンテスト

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