2024年06月25日
トリーター:渡部

決定的瞬間!

みなさん、こんにちは!
きょうは、みなさんにぜひ見ていただきたい決定的瞬間を撮影しました。
まずはこちらをご覧ください!


黄色いひものようなところから、透明の粒が1つ出てきて一生懸命泳いでいます。
こちらはカブトヘンゲクラゲから幼生が生まれる瞬間です。この決定的瞬間を収めた映像は世界初かもしれません!!!!

世界初は少し言いすぎてしまったかもしれませんが、えのすい初なのは間違いありません。
命が生まれる瞬間に立ち会うことができて、とても嬉しいです。とにかくこの映像をいろんな人に見せたい!と思わず、近くにいた先輩トリーターに見せて回ってしまいました。
その勢いでこの日誌を書いていますので、きょうはややテンション高めです!!

カブトヘンゲクラゲは、暖かい海の海底で暮らしているクシクラゲの仲間です。透明で薄いので野外でその姿を見つけるのは至難の業! 今年の4月にえのすいで初めて展示し、どんなクラゲなのか調べながら、飼育を続けてきました。

カブトヘンゲクラゲカブトヘンゲクラゲ

調べている中で、カブトヘンゲクラゲは生殖巣で幼生を保育することを知りました。幼生を保育するクラゲといえば、保育嚢でプラヌラを保育するメスのミズクラゲが思い浮かびますが、ミズクラゲと全く別のグループのクシクラゲの仲間も、幼生を保育することにとても驚きました。

ぜひカブトヘンゲクラゲの幼生を見てみたいと思いましたが、クシクラゲの仲間はとてもデリケートなので、通常エアレーションでの飼育はとても難しいです。しかし、カブトヘンゲクラゲは弱いエアレーションで飼育できることが分かったので、展示とは別に大きな容器に入れて、少しだけエアレーションを入れて止水で飼育していました。普通のクラゲの水槽だと、小さな幼生は流されてしまうと思ったからです。
それから2か月ほどが経ったある日、水を換えようと思い、容器を覗くと…


小さな幼生が一生懸命泳いでいました。なんてかわいい…
幼生が泳いでいるということは、お母さんの生殖巣にもまだいるかもしれない!
と慌てて、顕微鏡で生殖巣を観察し、今回の決定的瞬間の撮影に成功しました。

ここからは、幼生を大きく育てるという次のステップが待っています!
みなさんに、“えのすい”生まれ、“えのすい”育ちのカブトヘンゲクラゲをお見せできるよう、これからも飼育と観察を続けていきます。

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