2026年02月11日
トリーター:八巻

底引網漁のシーズンがやってきました!

年が明けてあっという間に1か月が経ち、気づけば2月も中旬です。 今年は寒い日が続いていますね。 先日はここ藤沢でも-5℃近くまで冷え込み、とても驚きました。
さらに一昨日は大雪に見舞われ大変でしたが、普段見ることのない雪景色はどこか心躍らせてくれました。
寒さはつらいものですが、寒いからこそ生まれる楽しみもあります。

そして実は…
寒い時期だからこそできることが、深海担当にもあるのです!
そう、主に冬季から春季にかけて解禁になる底引網漁に混獲する深海生物の採集です。

近年改めて人気に火がついているメンダコも、底引網漁で採集されることが多い生物のひとつ。 底引網漁は多種多様な深海生物が混獲されますので、深海生物を求める我々にとってはまさに “宝の山” なのです!

底引網漁で混獲されるた多種多様な深海生物底引網漁で混獲されるた多種多様な深海生物

先日2月3日に、今年初めての底引網漁に乗船してきました。
約1年ぶりの底引網漁なので、過去の報告書などを参考に、いろいろと思い出しながら準備をすすめました。 風の影響で船が出なくなることも少なくないため、まずは無事乗船することができて、ほっと胸をなでおろしています。
今回はメンダコの採集には至りませんでしたが、さまざまな深海生物を採集することができました。

採集した生物はバックヤードでようすを確認しながら順次展示に出していきますが、既に展示水槽に出ているものもいます。
今年からは D-ARKプロジェクト の一環として新設した深海Ⅰの小型水槽でも、底引網漁で採集した小型生物を展示していきます。 小さな生き物も見逃さずにじっくりと観察してみてください!

今回の底引網漁で採集した生物のうち、既に展示に出ているおすすめを紹介していきましょう。

オオコシオリエビ
典型的な “いつメン” ですが、今回はかなり大きな個体が採集できました。 立派なはさみ脚は毛におおわれていて、えも言われぬ迫力があります!
オオコシオリエビを「かっこいいなぁ」と思ったのは初めてかもしれません…

はさみ脚が毛におおわれた立派なオオコシオリエビはさみ脚が毛におおわれた立派なオオコシオリエビ


ミカワエビ
体長と体高に対する頭胸甲の長さ、高さとも割合が高く、頭でっかちに見えます。 その丸っこい体つきがなんともかわいらしく、お気に入りのエビです。
入網数はそれほど多くないのですが、毎年目が合って採集します。 今年のミカワエビは、オオコシオリエビ同様とても立派なサイズでした!

ミカワエビ(手前)とボタンエビ(奥)、ミカワエビは丸っこい。ミカワエビ(手前)とボタンエビ(奥)、ミカワエビは丸っこい。


ヒメカンテンナマコ
メンダコには及ばずとも、人気の深海生物のひとつです。 背側の突起をとさかのように立てているのは、状態が良い証拠です。 こちらも今回は比較的大きな個体を採集することができました。

背側の突起を立てるヒメカンテンナマコ背側の突起を立てるヒメカンテンナマコ


アカマダラサンゴエビ
これまで見たことがなかったエビなので、採集した生物の中で最も印象的でした。 赤白の模様がとてもきれいで、全ての歩脚が毛におおわれています。
本来は穴を掘って入口から顔を出しているようです。 第二、第三歩脚の毛の生え方が他の歩脚と違っていて、櫛状になっています。 この脚を広げることで、プランクトンを引っかけて摂餌していると考えられています。 実際、水流を第二第三歩脚で受けているような姿も観察できます。

腕を広げて流れを受けるアカマダラサンゴエビ腕を広げて流れを受けるアカマダラサンゴエビ


まだまだ底引網漁の季節は始まったばかりです!
たくさんの魅力的な生き物と出会える底引網漁は、極寒の季節でも、そんな寒さを楽しみに変えてくれる “魔法” のようです。
ぜひ魔法の力を確かめに来てくださいね。

本プロジェクトはオーシャンショット研究助成事業の助成を受けています。
オーシャンショット研究助成事業は、日本財団の助成を受けて笹川平和財団海洋政策研究所によって実施されています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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