2026年03月02日
トリーター:堀内

検査や治療で使う器具いろいろ

動物の検査や治療をおこなうためにたくさんの種類の器具があります。きょうはその中でもシリンジと針についてお話しします。

まずはシリンジから。
シリンジとは円錐型の筒と押し込むための押し子で構成され、気体や液体の吸引や注入の際に使用する器具です。えのすいでは 1ml、2.5ml、5ml、10ml、20ml、30ml、50ml、100mlのシリンジを準備しています。一つ一つ袋に入って保管されています。

同じ 2.5mlシリンジでもスリップタイプとロックタイプの 2種類があったり、容量は一緒でも先端の形に違いがあったりと、たくさんのバリエーションがあります。

次は針について。
こちらは直針。その名の通りまっすぐな針です。針もシリンジ同様に一つ一つ袋に入っています。

色によって針の太さが違います。とってもカラフルです。
長さもさまざまあります。

こちらは、翼状針。針の根元に翼と呼ばれる持ち手がついた短い注射針です。

実はこの翼状針にも針の太さは同じでも、針の長さが違うものがあります。

袋に入っているので少し分かりづらくて申し訳ないのですが、同じ 21Gでも右の「 Cタイプ」の方が、針が少し長くなっています。

シリンジと組むとこんな感じです。

シリンジと針は単体で使うことはあまりなく、セットで使うことがほとんどです。
直針でも翼状針でも針の太さと色は、ピンク= 18G、緑= 21G、オレンジ= 25Gと決まっており、このカラーコードにより一目で針の太さを判断できます。

では、なんでこんなにもたくさんのバリエーションを準備しているのか。
それは、それぞれの動物に合った処置をおこなうためです。採血一つをとっても、バンドウイルカは尾びれ、オットセイは後肢の水かき、カワウソは前肢の表、アザラシは後肢の付け根や先端、ペンギンはフリッパーの内側、ウミガメは首、サメは尻びれの前から。体のサイズや血管までの深さ、血管の太さなどすべてが違います。
このように水族館で飼育しているすべての生き物たちのサイズに合わせて臨機応変に器具を使い分け、検査や治療をおこなっています。

今回紹介したシリンジや針は検査や治療のために使用している器具のほんの一部です。まだまだたくさんの器具があるので、また紹介していきます。

そしてきのう( 3月 1日)、カマイルカの「セブン」が永眠しました。
トリーターの出す合図にいつも全力で応えていた姿が今でも忘れられません。今頃カマイルカの「クロス」と一緒にたくさんおしゃべりしているといいなと思います。「セブン」から教わったこと、残してくれたことを必ず生かしていきます。
「セブン」ありがとう。

カマイルカ「セブン」と「クロス」カマイルカ「セブン」と「クロス」

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