朝起きると、机に置いてあったコップが床に転がっていました。カーテンを開けて外を見ると。
白波が立ち、海面はグリグリうねっていました。
「う・・・ む、きょうは駄目だな」
そう思いながら朝食へ行くと、主席研究員から公式に中止が告げられました。
有人潜水船は白波が立ってうねったらもうだめです。きょうの荒れっぷりだと、無人探査機でもダメだったでしょうね。
船を走らせての音波での地形調査もできないとのことで、きょうは全く調査ができない日になってしまいました。
まあ、こんなことは潜水調査にはつきものですからね!ゆっくり休んで調査に備えるのが一番です。
でもこんな日にはそれなりの楽しみがあります。特に学生さんにとっては貴重なイベントが急遽開催されることがあります。それは「しんかい6500船内見学ツアー」です!
実は学生は「しんかい6500」に乗って調査をおこなうことができない決まりになっています。
それじゃかわいそうなので、潜航がないときだけでも「しんかい6500」に乗せてあげようと、回航日や潜航中止の日に主席研究員が見学会を開いてもらえるように、しんかい6500チームの司令に話をしてくれることがあります。
そしてきょうこのツアーがおこなわれました。
実際にパイロットの方と一緒に乗り込んで、内部の説明をしてもらえます。
その狭さや機械に囲まれた感じ、レプリカには出せない本物感を肌で感じることができます。
思わず「お~!」といわされてしまう迫力があります。
私も学生時代に「よこすか」に乗船したときに、この体験ツアーをやってもらったのですが、「おわー!」とか「うへー!」とかいって、興奮して写真を撮り損ねた覚えがあります。
滅多に入れる場所じゃないですからね!
あのとき私は自分が乗って潜航する日は一生来ないものだと思っていたものです。
人生わからないものですね・・・ 。
あすの潜航はどうなのでしょう?
あと 20分で研究者ミーティングが始まります。
それでは、また!
[きょうの写真]
上/しんかい6500
中・下/富山大の修士の学生さん
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)YK08-07 「よこすか/しんかい6500」による北海道奥尻島沖 深海生物調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。