みなさんこんにちは。初めての採集日誌の北嶋です。
今回私は深海トロール船に乗って深海生物の採集をしてきました。
トロールとは底曳きのことです。
駿河湾は少し沖に出ると急に深くなる地形で、深海魚が多く見られることで有名です。
漁師さんの目的は、おいしい深海性のエビやカニですが、そのほかにもゲテモノというか、不思議な形の生物がたくさんかかります。
私たちの目的はそのゲテモノたちです。
一体どんな生き物がかかるのか、宝探しにいくような気分で一路西へ。
しかし、心配なこともありました。
じつは私、採集で船に乗るのはほぼ初めて。
穏やかな東京湾へクラゲを採りに行ったことはありますが・・・ 。
この深海トロール船、去年乗船したトリーターに聞くと
か な り!!
過酷な船とのこと。
荒れる海。厳しい寒さ。そしてトイレのない船に12時間以上いなければならない。
「トロールに乗って平気なら、どの船も大丈夫だよ。」
といわれました。
・・・ だいじょうぶかな?
なので、あまり夕飯は食べないで行こう。と思ったのに、現地の美味しいご飯をがっつり食べ、しばし休息。
午前 3時。酔い止めを飲み、これでもかと着込み、いざ港へ。
真っ暗な港は穏やかで風もなく、海況は良さそうだ。
深海スペシャリスト根本トリーターと漁師さんを待っていると、こちらへ向かってくる船が一艘。
トロール船だ!
「こんにちは。きょうはよろしくお願いします。」
「おんなか?!」
「そうです。いっぱい使ってください。」
「だいじょうぶなのか??」
「だいじょうぶです^^!」
どうやら女がくると思ってなかったようす。かなり心配されました。噂どおり過酷だからでしょう。
きょうの漁は駿河湾と太平洋の境目あたりまで行くとのこと。漁場まで片道3時間です。
はりきっていざ乗船です!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。