陸を離れてはや5日。本日も2潜航、順調に調査がおこなわれています。
さて、ゴエモンコシオリエビとキノミフネカサガイ以外にも採集されている生き物がいますので、紹介します。
「シンカイヒバリガイ」
こちらは大きなイガイ類、いわゆるムールガイです。
沿岸性の種(ミドリイガイなど)と同じように「足糸」と呼ばれる糸を出して集団で岩に張り付いています。
いざとなれば足糸を切り離して動けますが、普段はほとんど動かないので、その隙間はゴカイ類やエビ類の隠れ場所になっているようです。
「オハラエビの仲間」
こちらは大小さまざまな種類が見られます。
ハイパーの映像を見ている研究者から「美味そうやな」といわれてしまうエビらしいエビの形をしています。
ゴエモンやヒバリガイの上に下りたり、腹肢で泳いだり、ハイパードルフィンのちょっと先を行くせわしない動きはさしずめ「深海のハンミョウ」でしょうか。
小さくて柔らかい体をしていますが、ゴエモンと一緒に吸い込まれた個体が水槽内で元気にしています。
どちらもパッと見はそれほど変わったところのない生き物ですが、やはり海底から水が噴き出す場所に依存している「珍種」です。
ですから食べるなんてとんでもない!展示や研究用として水族館へも是非連れて帰りたいと思います。
[きょうの写真]
上/ハイパーのカメラがとらえた
シンカイヒバリガイ
下/飼育中のオハラエビの仲間
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT09-11「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ・伊平屋北熱水活動域及び鳩間海丘における深海調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。