今はボストンの夜中2時半ごろです。
すべてのセッション、そして最終日の意見交換会も終了し、夜中の3時に空港へ向かうため帰り支度を整えこの日誌を書いています。
行くまでは緊張もしていましたし、長いイメージを持っていましたが、終わってみるとあっという間でした。
きょうは午前中に最後のプレゼンテーション7演題を行う短時間集中講演でした。
きょうの演題で印象的だったのは、今回のホスト館でもあるニューイングランド水族館のさまざまな生き物のトレーニングについてでした。
カエルのターゲットによるトレーニング、ヘビの健康診断のためのトレーニング ランプフィッシュのスピン、バブル出し、輪くぐり、手のひらへのステーショニング(手に乗る)、そして犬の臭覚を利用した海上におけるクジラの糞の探索など、なかなか面白い内容でした。
要するに脳がある生物であれば、その大小にかかわらず、条件反射を利用したトレーニングは可能であるということだと説明を受けました。
きのうのビデオの評価も引き続き良いようで、私以外の日本人の方へもその話をされたとのことでした。
もともとは海生哺乳類のトレーニングから始まったIMATAですが、今や水生生物全般にまでその領域は拡大しています。
次回は1年後といいたいところですが、ちょっと早くて2011年の9月にマイアミで、そして2012年にはアジアの香港、その翌年はラスベガスを予定しているそうです。
今回のビデオ評価を受けて、他園館の発表状況からも、ぜひ次回にマイアミで今回のuogokoroを中心とした魚のトレーニングについての発表を期待したい、という話もされました。
ぜひ魚類チームスタッフには頑張っていただきたいと思っています。
IMATAの他にも、やはり日本人の参加は少ないようなのですが、世界の動物園のトレーナー会議というのもあるのです。
特に水生生物と陸上生物を分ける必要性はなく、会の特性上、IMATAのほうが華やかなようです。
今回このような形でみなさまへご紹介させていただきましたが、世界の水族館、動物園で活躍するトレーナーのことを、今までとはちょっと違った方向から多少なりともご理解いただければ幸いです。
私自身、グローバルな感覚のなさに苦しみ、ペンギンとはいつもコンタクトをとっているつもりなのですが、同じ人間なのに、話が伝えられないもどかしさに憤りさえ感じました。
こういった会に、館として積極的に派遣しているのも、日本では当館を含めて極少数なのです。
今回の経験を良い形でフィードバックして、ぜひ日本の代表として他国のトレーナーと同じ土俵で話合いができるスタッフが育っていける力添えになればと思っています。
ボストン観光もほとんどできず、かなり遠くにいるはずなのですが、このまま飛行機に乗ると、まるで目隠しされて連れて行かれたようなイメージになるのではないかとちょっとさびしい限りです。
毎日寄っていたコンビニの店員さんは、「サンキュー」から「ありがとう」へ切り替えても「シェイシェイ」と返してきます。
私の祖母の時代では、日本人と中国人の扱いも違っていたようですが、今や経済を握るようになった中国の勢いを感じる時でもあり、日本人、頑張らねばと思ってしまいます。
みなさんも頑張ってくださいね。
では帰路へむけて出発いたします。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。