2019年07月22日

勢水丸 三重県沖生物採集航海(1)航海日誌 1日目/西川

  • 期間:2019年7月22(月)~2019年7月26日(金)
  • 場所:三重県沖
  • 目的:ドレッジ、プランクトンネットによる生物の調査・採集
  • 担当:西川・八巻
勢水丸勢水丸


私は今、三重大学の練習船「勢水丸」へ北里大学の先生・学生と一緒に乗船しています。
きょうから26日までの5日間、三重県沖で生物の調査・採集をおこないます。
私はこれまで日帰りの乗船はあったのですが、今回のように数日間船に乗りっぱなしの調査は初めてなんです。
寝る、お風呂に入る、歯を磨く、日常生活では全く緊張しないことまで気にしてしまうくらいドキドキでいっぱいです。
でも!船に乗るだけでなく生物を採集し、みなさんに見てもらわなければなりません!
一緒に乗船している経験豊富なトリーターに支えてもらいながら、しっかりと生物を水族館へ搬入したいと思います!
この5日間で、どんな生物を見ることができるのかとても楽しみです。

きょうの出航は9時50分で、出航までに船の安全上の決まりを説明していただいたり、生物を生きたまま水族館へ運ぶための水槽も設置しました。


出航の時間は弱い雨が降っていましたが風はなく、出航1時間後には遠くに発見したスナメリを観察することができるほどの凪でした。


ドレッジネット

12時30分に行った1回目の採集では、画像のようなネットを海底へ沈めて船でしばらく曳き、上げてくるドレッジ採集という方法でした。

浅い水深でヤセオコゼという魚を狙っていました。上がってきた網の中にはヤセオコゼは見当たらなかったのですが、エビやカニなどの多くの甲殻類を採集することができました。


同定作業

採集された生物は全て観察・同定をおこない、大学の研究と水族館へ運びたい生物とで仕分けし、航海の期間は陸に戻ることはできないので船上で飼育をします。


プランクトンネット

2回目は20時でした。
採集方法は1回目と異なり、プランクトンネットを海底につけずに30分ほど曳いて上げ、水中に漂うまたは泳ぐ生物を採集する方法でした。
方法が違うとやはり生物も異なり、サルパなどが多く入網しました。

きょうの調査・採集はこれで終了となります。
あすからの3日間は同じようにネットを下ろして生物を採集するようになります。
きょうは採集した生物の他にもスナメリやウミガメに出会うことができました。
あすはどんな生物に出会えるのか今から楽しみです。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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