みなさま、こんにちは。
旧・江の島水族館時代から脈々と続く研究の一つに、江の島の調査があります。長らく調査を指揮してこられたのは、元えのすいの大先輩、植田 育男さんと萩原 清司さんです。
お二人の調査は海岸動物全般にわたり、約 30年もの間、多くの論文として世に送り出されています。
ネクストジェネレーションの末端である私としては、その活動を受け継ぎ、なおかつ楽しく江の島を学べたらと考えているわけです。
実は昨年から久々に調査をしたいな、ということで植田さんと相談をしていました。
例年通り春にやるぞ、と思っていた矢先、例の緊急事態です。
世間の情勢を追いながら、今が「数人でまとまって調査」する絶妙なタイミングだということで、すかさず動くことにしました。
今回の主対象はカニです。私が好きな対象の一つです。
江の島のカニについては、潮間帯で繰り返し研究されてきたほか、漁師さんにご協力いただいた深場の研究や、江の島の地理把握も兼ねて行なった陸域の研究が既にあります。
江の島では結構力を入れてきたグループですが、今回も何か明らかにできるのでしょうか。
今回はいわば下調べ。
本調査前の地形把握を兼ねて、一人で島の北端から西まわりで南西端まで歩いてきました。
「ここはあやしいぞ(カニが潜んでいそうだ)」というところをチェックしていきます。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。