2020年12月08日

西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部 調査航海(14)

  • 期間:2020年11月25日(水)~12月12日(土)
  • 場所:西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部
  • 目的:新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査
  • 担当:八巻


航海14日目 サンプルの行方

みなさんこんにちは!八巻です。
今日で出航からなんと2週間が経ってしまったようです。
本当に早いものですねぇ。

今日は昨日と同じ調査海域の水深 600mで、改めて観察・サンプリングを行いました。
航海でサンプリングした生物は、目で見える大きなものはもちろん、水や泥の中にいる顕微鏡でないと見ることのできないとても小さなものまで余すところなく研究に利用されます。
ですから、ROVがデッキに上がった直後に容器に入った水含め、全てを冷蔵室へ移動してよい状態に保たなくてはいけません。
そこで、ROVがデッキに上がる少し前からみんなで近くに待機します。


私は学生時代から調査船に乗る機会が何度かありました。
そのころからたくさんの研究者の方々にお世話になりましたが、いつの間にか同乗する研究者の方々が私よりも若い方ということが多くなってきた気がします。


サンプルが上がってくるのを待つ若手研究者の方々

みなさん優秀な方ばかりで、横のつながりも強く、互いに情報交換を行いながら精力的にサンプリングや研究成果の発表を行ってらっしゃいます。
畏れ多くもそのような活動的な輪に私たち水族館職員が入り、さまざまな生物の最新の知識や見解を勉強する機会をいただけるのは本当に幸せです。
今回、こうして学んだことを水族館での展示や解説に還元し、生物の魅力を老若男女さまざまな方へ伝えたいと改めて奮起させられました。

さて、デッキに上がってきたサンプルの処理は早さが肝心です。みんなで協力しながら迅速に海底の水温とできるだけ近い温度に保たれた冷蔵室へ移動します。


サンプルボックスから水を移す


回収したサンプルを冷蔵室へ保管する

冷蔵室へ移動した砂や泥からは、ソーティングを行います。
まず目に見える生き物を拾い出した後、


細かいものは顕微鏡で観察しながら拾い出します。
拾い出された生物は、ラボに運ばれ、研究者の方々が各々の研究に使うため、生物の種をはっきりさせる同定を行ったり、生体写真を撮影したり、また腐らないように固定したりします。


このようにして、航海でサンプリングした貴重な生物は、研究に活かされていきます。

明日は次の海域へ移動します!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KM20-10C かいめい/KM-ROV 新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

RSS