2021年12月16日

光海丸での相模湾鯨類目視調査

  • 期間:2021年12月16日(木)
  • 場所:相模湾
  • 目的:相模湾・東京湾に来遊する鯨類種特定に関する研究
  • 担当:羽田

10月におこなった相模湾鯨類目視調査に引き続き、12月も同じく調査に行ってきました。
今回もお世話になったのは「光海丸」さん。
船長の石井さん、フィールド調査チームの櫻木、鷲見はおなじみのメンバーですが、今回は新たに羽田と浦崎も調査に同行しました。
この2名はフィールド調査チームではないのですが、なるべく多くのトリーターが調査に参加することで、普段は体感できない、自然界の鯨類が生息している環境を肌で感じてもらうというのが目的です。

「光海丸」さんに協力してもらっておこなう鯨類目視調査は今回で三回目。
過去二回は鯨類に遭遇できませんでした。
三度目の正直となるか。
二度ある事は三度あるとなるか。

12月はカマイルカを目撃する頻度が高いという事前情報があったこと、当日の天気が非常に良く、海上も凪の状態であったことなど、鯨類を発見するにはよい条件が整っていました!!


がしかし。


残念ながら今回も鯨類を発見するにはいたりませんでした。
この日誌を書いているのは、今回初めて調査の羽田なのですが、ここで鯨類を見つける事ができれば、この調査のレギュラーメンバー入りか!?
と、かなり気合を入れていたのですが、結果を出せず。

下の図は調査の航路です。

© OpenStreetMap contributors

今回は30分毎に水温を測定したのですが、その結果は以下の通りです

こういった水温のデータも収集し、この海域ではどのくらいの水温の時に鯨類を発見できる確率が高いか?といった事が今後分かってくるかもしれません。
地道な作業ですが、とても大切なデータです。

水温測定
(二人とも海獣類の水質担当なので手慣れています。)

櫻木トリーターは一眼レフカメラでの撮影技術を磨くために、野鳥の撮影に励んでいました。
(写真は櫻木トリーター撮影)

調査の途中、近くの遊漁船から鯨類の目撃情報があり、現場の近くへ向かったのですが、そこでも鯨類は発見できなかったということもありました。
このような時、ドローンがあれば目撃情報周辺を空からの視点でも調査することが可能なので、今後はドローンの活用も有効だと実際の調査に参加して感じました。

今回、前回に比べて海洋に漂うゴミが少ないとのことだったのですが、港近くの海岸にはやはり多くのゴミが漂着していました。
季節によって量こそ違いそうですが、この問題にもどう具体的に取り組むべきか考え続けていかなければいけないと実感します。

一番の目的である鯨類を発見することはできませんでしたが、今後も継続して目視調査をおこない、「相模湾にどんな鯨類が、いつ、どれくらい訪れているか」を調べていきたいと思います。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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