2022年11月15日

江ノ島・フィッシャーマンズ・プロジェクト

  • 期間:2022年10月29日(土)
  • 場所:江の島沖
  • 目的:海底清掃
  • 担当:北嶋

ひさしぶりに江ノ島・フィッシャーマンズ・プロジェクト(以下略:EFP)の活動に参加してきました。

ここ数年は、担当トリーター 2名が専属で主に参加していたのですが、今回はその 2名が出られないということで、黒川トリーターと一緒に参加してきました。

EFPの主な活動は、江の島の藻場(豊かな生き物たちのすみかとなる海藻の林)の保全活動と、海底清掃、そして海の教育普及などで、“えのすい”は 2018年からこの事業に協力しています。

江の島は目と鼻の先ですが、トリーターでも潜る機会は限られているので、自らの目で見られる江の島の今の海中に行けるのはわくわくします。
海面から見た海と、潜って見られる海の景色はかなり違います。夏前に後輩たちとプライベートで潜ったときは「生き物が減っているな、海藻ないなー」という印象でしたが、今回は潜水ポイントも違うのでどうでしょう。

当日の天気は快晴。10月末なのに、気温、水温ともに暖かく、ドライスーツを準備しましたが、ウエットスーツでも問題なさそうな暖かさ。潜水日和です。
凪で江の島としては珍しく良い透明度でした。
江の島は普段は濁っていて、視界が悪いことが多いのですが、5~ 10mくらいは見渡せました。

本日のミッションは、海底清掃です。
1本目のダイブでは私は釣りごみを、黒川トリーターはそのほかのごみを拾います。
釣りごみ、とても多いです。
釣り人の多い堤防と磯の少し先なので、根掛かりしてそのままになった鉛や釣り糸、針、ルアーなどがたまっています。
鉛は重すぎて持ち上げられなくなるので、空気を入れられる浮きを取り付けて運べるように工夫しています。
潮の流れで岩の隙間に鉛の重りがたくさん集まっていて、すぐにすごい重量になります。釣り糸と釣り針が岩に絡まり、一見海藻が生えているようにも見えましたが、ごみでした。

海藻は全然ない。何の海藻もない、というくらいの禿げた岩肌が出てしまっています。ルアーと絡まった糸が底にあったので回収しようとしたら埋まっていてなかなか抜けない。
渾身の力で引き抜くと、黒い煙のように泥が舞い、周囲が酷く濁ってしまいました。
黒いのは硫化してしまっているからでしょう。釣り餌が溜ってヘドロのようになってしまっているエリアもあるので、海底も淀んでしまっているのかもしれません。このような海底だと、砂の中を撹拌してくれるようなゴカイなどの生物も棲めないのでしょうか。
生き物は全体的に以前よりも少ない印象です。

2本目のダイブでは、通称「竜宮城」へ潜りました。
ここでも海底清掃です。「竜宮城」は、四角いコンクリートのブロックを沈めた人工漁礁になっているポイントです。
水深 25mくらいの 1本目よりすこし沖で、ブロックにはヤギやトサカといった陰日性サンゴの仲間が活着していて、そこに色とりどりの魚の群れなどが集まってきていました。
とてもきれいなところです。しかし、ブロックに引っかかったビニールや空き缶、靴などごみがたくさん。
潜水は背負っている空気のリミットがあるため、どちらのポイントもごみを拾いきれず、後ろ髪を引かれながら時間切れとなってしまいました。

地道ですが大事な活動です。
海の底でただ転がっているごみではなく、海の一部となりつつあるごみになってきています。とくに海洋プラスチックは細かくなって生物が取り込んでしまったり毒性のある物質が溶け出したりしていることが最近わかってきて、問題視されています。
海に捨てようと思っていなくて波にさらわれちゃったとか、落としちゃったとかいうものもあるとおもいますが、海に行ってしまったごみは回収するのが容易ではありません。
このようなごみを無くせるようにしたいです。

今後もEFPの活動に積極的に参加していきたいです。
お世話になりましたEFPのみなさま、ありがとうございました!

ごみを拾うダイバーたちごみを拾うダイバーたち

ブルーシートやボールなどブルーシートやボールなど

釣りのおもり釣りのおもり

竜宮城竜宮城

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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