2023年12月10日

鹿児島湾 生物調査(2)
南星丸調査 2日目/足立

  • 期間:2023年12月9日(土)~12月10日(日)
  • 場所:鹿児島湾
  • 目的:サツマハオリムシ・タギリカクレエビの調査・採集
  • 担当:足立・八巻


きょうも晴天。おだやかな海です。
鹿児島大の南星丸は初めて乗せていただく船ですが、コロナ前に何度か機会のあったいくつかの調査船の雰囲気を思い出し、懐かしい気持ちも湧いています。
私たちは4日間の調査期間の後半2日間に参加させていただいており、きょうが全調査の最終日となります。

本日のメニューは、
1, 水中ロボット実験(東京大学)
2, たぎりホイホイ回収(かごしま水族館)
3, サツマハオリムシ生息地点VR用動画撮影 by 水中ドローン(新江ノ島水族館)
4, タギリカクレエビ仕掛け回収 by 水中ドローン(かごしま水族館&新江ノ島水族館)

水中ロボットの実験は、ほんのもう少しだけ潮の流れがあった方が 実験としては良かったようですが、とにかくそれぐらいベタ凪で、そのほかの作業等は快適でした。
水中ロボットの実験中は停船していたので、その間、鹿児島大の学生さんに手伝っていただき、船べりからクラゲの採集をしてみました。

クラゲ採集クラゲ採集

クラゲ採集クラゲ採集

あまりいなかったのですが、カブトクラゲ、ヒトツクラゲ?、1mmほどの花クラゲ目のクラゲ1個体、そのほかウミタル、ヤムシ、コペポーダが入りました。
初めての、このようなクラゲ採集、学生さんたちに楽しんでいただけたなら良いのですが。

昼食後、前日に、ハオリムシの群落があるであろう地点の上から落とした、かごしま水族館のたぎりホイホイ(タギリカクレエビ採集網)の回収をおこないました。

たぎりホイホイたぎりホイホイ

たぎりホイホイたぎりホイホイ

良いところに網が落ちていれば、数十匹のタギリカクレエビが、、、、、
どうだ?????
しかし結果は、嗚呼、残念、、、、
(コノハエビは大漁でした。)

凪いでいても、海の上から水深 80~100mにあるものに狙いを定めて仕掛けを落とすのは、難しいものですね。

次はいよいよ、我らが水中ドローンの出番です。
12月 10日のミッションは2つ。まずは、VR用にカメラを3台セットして、ハオリムシ群落を撮影します。カメラの電池が切れるまでに、良い映像が撮れるかどうか。きのうと同じ地点を狙って潜航します。
最初少しうろうろして、一瞬不安な気持ちになりましたが、ちゃんと大きなハオリムシ山を見つけて、こちらは、多分撮れているはず。確認するのが楽しみです。

水中ドローン最後のミッションは、きのう仕掛けた、かごしま水族館の新型タギリカクレエビ捕獲器の回収です。
VR用に取り付けていた 3台のカメラを取り外し、マニュピレーターに付け替え、潜航開始。

タギリカクレエビ捕獲器タギリカクレエビ捕獲器

タギリカクレエビ捕獲器タギリカクレエビ捕獲器

程なく海底が視認でき、きのうの潜航で見覚えのある風景がモニターに広がりました。

それでも落としたピンポイントを探すのは少し時間がかかりましたが、万歳!無事にタギリカクレエビ捕獲器4つを発見!!
セットする前に、回収方法のシミュレーションもしていたのですが、思ったようには、設置できておらず、マニュピレーターでどうつかむか、その場で試行錯誤しました。
回収のチャンスは1回しかなかったので、確実に引き上げられそうな1つに絞ってつかみ、浮上しました。
結果は、ぼうずでしたが、、、

タギリホイホイ以降の作業と並行して、同時に、南星丸となぎさの体験学習館との通信テストもおこないました。
モニター越しに杉村トリーターや、なぎさの体験学習の笠松キュレーターに会うことができ、楽しかったのですが、問題点も見つかり、テストした甲斐がありました。

通信テスト通信テスト

通信テスト通信テスト


今回も、船員さんたちの的確で豊富なアドバイスとご協力のもと、けがも事故もなく、南星丸乗船調査を終えることができました。

調査終了調査終了

下船後は、えのすいトラックで、鹿児島大や、宅配便店まで調査機材の運搬をさせていただきました。

調査機材運搬調査機材運搬

鹿児島大学のみなさま、ご一緒した東大、海洋大、高知大、かごしま水族館のみなさま、ありがとうございました。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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