みなさんこんにちは! 八巻です。
九州パラオ海嶺北高鵬海山の調査も3日目、4日目となります。
3日目の 5月 14日は平頂部の水深 300m域を、クラムボンとベイトカメラで再び調査し、4日目の本日 5月 15日は、大東島から通して初となる深い深度への潜航です。
目指すは水深 2,000m域!
以前 2020年に海山で調査をおこなった際も、比較的浅い山頂付近と、ふもとに近い 2,000m付近の両方を観察していますので、今回もそれに倣っています。
基本的にこれまでの観察でも、浅い山頂付近は賑やかで生物量が多く、深いふもと付近は生物量が低いという傾向がみられています。
しかし、深い海底にはその深度に特化した、いかにも深海生物!という生き物たちを見ることができるので、とても楽しみです。
海底までの距離が長いと潜航する時間も長く、海底に着くまで1時間近くかかります。
わくわくしながら待っていると、ようやく海底が見えてきました!
ひっそりと静まり返り、海流で自然と形作られた模様が広がる海底は、えもいわれぬ美しさがあります。
少し進むと、ぬらりと泳いでくるアシロ科の一種。バケアシロでしょうか。早速深海感満載です。
ここで、今回は最初に採泥をすることになりました。
泥を採ってどうするの?と思いますが、海底に積もる泥や砂の中には、たとえ深海でも、数mmの大きさの多数の小さな生き物たちがくらしているのです。
今回もゴカイ類やヒモムシ類、小型甲殻類を専門とする研究者の方々が乗船されていますので、顕微鏡を使って採取した泥の中から生物を探し出す作業をおこないます。
このような深海底の場合、一すくいの泥でも、未記載種が含まれている可能性も高く、ただの泥と思うなかれ、宝の山ともいえるのです。
そして、実は期待していたこの魚!!いました!!
以前の 2020年の航海ではオオイトヒキイワシを確認しましたが、今回はイトヒキイワシと思われる魚を見ることができました!! とはいえ、ちょっと黒っぽく見えたり、ただのイトヒキイワシではないかもしれませんが、イトヒキイワシの仲間であることは間違いないと思います。
本当に美しい生き物ですよね。
とても繊細な糸状の胸鰭の広がりには感動さえ覚えます。
今回も以前オオイトヒキイワシの発見を一緒に喜んだ魚類分類学者の方と、この魚の仲間であるナガヅエエソを会社のロゴマークにされている FullDepth の技術者の方と大興奮で観察しました 笑
さて、その後も多くの憧れの深海生物たちを観察できました。
ムーランルージュはとても美しく見てみたかったウミユリ類です。
どの生物も遠巻きだとあまり分かりませんが、とてもサイズが大きいです。
サンプリングを重ねて進み、斜面が見えてきたころ、残念ながら離底時刻となってしまい、本日の潜航は終了となりました。
さて、この海域に来ての釣獲調査ではこれまで釣れなかった魚が釣れています。
中でもナガタチカマスとヒレナガユメタチは、銅色と虹色に輝くぎらぎらとした体表が、本当にきれいな魚でした!
調査も残すところあと2日!
もう少し頑張ります!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
本プロジェクトはオーシャンショット研究助成事業の助成を受けたものである。