深海を伝える展示と試み

2009年10月
第49回 日本動物園水族館教育研究会 よこはま大会
崎山 直夫 他



深海を伝える展示と試み

○崎山 直夫 ・ 北田 貢 ・ 根本 卓 ・ 伊藤 寿茂
新江ノ島水族館

当館では昨年夏、夏季特別展として「深海生物展」を開催した。暗く地味で、解説が長くむずかしくなりがちな深海展示について、常設展示には無い、触る、聴くといった感覚を重視した、わかりやすい身近な展示を念頭に構成した。そのいくつかの展示の試みについて紹介する。

水圧実験:
身近なものに水深6,500mと同じ約650 気圧をかけるとどうなるか?という展示。水圧をかける前のものと比較展示を行った。

ダイオウグソクムシの触れる標本:
インパクトの強い本種をシリコーン置換処理(プラスチネーション)し、来館者が誰でも触ってもらえるように配置した。

しんかい6500乗船談:
当館にはしんかい6500の乗船調査に3名の職員が参加している。その体験談(モニター)やパネルによる紹介を行った。

深海の立体映像:
潜水船で立体映像を撮影。来館者にはグラスをかけて見る大型スクリーンと小型裸眼立体ディスプレイでその映像を紹介した。

深海の音:
相模湾初島沖の深海ステーションで録音された音を映像とともに紹介するモニターを設置した。ヘッドフォンをつけての視聴とした。

深海タッチプール:
通常は浅海のサメなどを展示している屋外タッチプールに温調装置を配備し、真夏の炎天下に約15℃ の水温を維持した。トラザメやオキナマコなど深海で見られる生物を展示した。

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