2009年10月
第19回動物園水族館設備会議(日本動物園水族館協会)
崎山 直夫 他
新江ノ島水族館の取水設備について
○崎山 直夫 ・ 戸田 尚夫 ・ 小曲 義行 ・ 小出 一城
新江ノ島水族館
要旨
水族館の海水は様々な形で入手されている。海に面した水族館では立地条件によりその方法が異なってくる。地先が遠浅砂浜である当館では旧館時代の1983年から,ポーラス状コンクリート浸透管(ポラコン)を使用した浸透海水取水方式を試験運用し,1987年からは全面的に採用してきた。新水族館建設にあたっても,同様のポラコンによる浸透海水取水方式が採用された。
35m×2本の集水ポラコン管(φ35cm)の先端部が東京湾中等潮位-3.5m に来るよう砂浜に埋設し,そこから館内にある取水ピットまで配管(φ30cm)を伸ばして海水を自然導入する仕組みとなっている。取水ピットから集水ポラコン先端までの長さは約200mとなっている。
取水ピットに導入された海水は密閉圧力式濾過槽で急速濾過された後,海水貯留槽に貯留される。
そこから海獣類水槽の補給水と逆洗水はポンプで供給され,魚類水槽の補給水はいったん高架水槽に揚水された後,各水槽に供給される。取水量は展示水槽へのかけ流し水や補給水,濾過槽の逆洗水あわせて1,500t/dayで計画された。開館以来の取水状況や課題について紹介する。





