タコクラゲの光刺激に対する反応と褐虫藻の密度の関係

2012年10月
2012年度 日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会(ポスター発表)
小谷野 有加 ・ 荒川 久幸 ・ 石井 晴人



タコクラゲの光刺激に対する反応と褐虫藻の密度の関係

小谷野 有加(1), 荒川 久幸(2), 石井 晴人(2)

 (1) 東京海洋大・新江ノ島水族館
 (2) 東京海洋大

要旨
 タコクラゲ Mastigias papua (Scyphozoa, Rhizostomeae) は褐虫藻と共生していることが知られている。褐虫藻は光合成により、海水中の炭素を固定し、タコクラゲはその炭素の供給を受け、呼吸および成長に利用していると考えられている。そのため、その行動は光刺激と大きく関係しているものと考えられる。一方、タコクラゲの行動に関しては、野外では、パラオのジェリーフィッシュレイクにおいて太陽光の当たる水域へ移動する傾向が観察されており、室内飼育実験でも、光刺激に対して正の走光性を有していることが示されている。しかし、どの波長の光が最も有効にタコクラゲの行動に影響を及ぼすか、また褐虫藻の密度がタコ
クラゲの行動に対して与える影響については全く調べられていない。本研究では、タコクラゲの行動と光の波長、光量子束密度、および共生している褐虫藻の密度との関係について明らかにすることを目的とした。

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