ナミダカサゴは、1971年 伊豆海洋公園地先水深50mにて採集された個体を、旧・江の島水族館 廣崎芳次 2代目館長らが1973年に新種として報告しました。学名の argoliba は眼から銀色(argon)の涙(liva)を流す“カサゴ”という意味で、和名の「ナミダカサゴ」も同じく眼付近にある涙模様に由来しています。
旧・江の島水族館で飼育していた当時はうすい皮を脱ぐようす(脱皮)も観察され、約15日間隔で脱皮をしていた記録が残っています。 この旧・江の島水族館にて報告された以降の発見記録は、ダイバーによる水中写真等での報告のみで、生体・標本入手の記録はありませんでした。
2025年4月29日(祝・火)の朝、さかなクンより館山でナミダカサゴが採集されたという連絡が入り、翌日当館へ届けてくださいました。 1971年の生きたナミダカサゴを見たことがあるスタッフは誰もいないので、全員が興奮しました。
生体展示は54年ぶりになります。さかなクンが届けてくださった際にいただいたナミダカサゴのイラストと併せて、貴重な魚をご覧ください。