2025年07月05日

杏仁豆腐の上に乗っているあの赤い実にそっくり?!
「クコノミクラゲ」世界初展示!

  • 展示開始日:2025年 7月 5日(土)~
  • クコノミクラゲ
  • 学名:Eutiara decorata
  • ヒドロ虫綱 花クラゲ目 エボシクラゲ科
  • 大きさ:約 2cm
    展示場所:皇室ご一家の生物学ご研究

本種は2021年にタヒチで採集された個体をもとに記載されたエボシクラゲ科の一種です。
外傘に特徴的な筋があり、生殖巣は鮮やかなオレンジ色で、まるで杏仁豆腐の上に乗っている小さな赤い実、「クコの実」のような見た目をしていることからその名がつきました。傘の頂点には小さな白い突起があります。
2022年に沖縄県で採集された個体をもとに、北里大学海洋生命科学部の渡部舞(現えのすいトリーター)と三宅裕志教授と水中写真家の峯水亮氏のグループで、日本での出現報告が行われました(Watabe et al. 2022)。ダイビング中に見られることが多く、自分よりも大きい他の種類のクラゲを食べるようすや、体表にウミノミ類やエボシガイの仲間が寄生しているようすが確認されています。
水族館での展示は今回が世界初となります。生活史をはじめとする生態はほとんど明らかになっていないので、今後は飼育しながら観察を続け、生態解明にもつなげていきます。

※短期間の展示となる可能性があります。ご了承ください。

本展示にあたり、峯水写真事務所の峯水亮氏と峯水写真事務所/北里大学大学院海洋生命科学研究科の兼城涼香氏と、北里大学大学院海洋生命科学研究科の徳武達也氏にご協力いただきました。

Watabe M, Minemizu R, Miyake H (2022) First Record of Pandeid Jellyfish, Eutiara decorata Berberian, Michenet and Goy, 2021 (Hydrozoa, Anthoathecata, Pandeidae), from Japan. Hydrobiology 1: 139-145.

クラゲサイエンス

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