
イラモは、一見するとサンゴの仲間のように見えますが、深海性のクロカムリクラゲなどと同じ「冠クラゲ目」に属するクラゲの仲間です。日本の紀伊半島以南の浅海に生息し、古くから知られています。
見かけによらず強い毒を持っており、直接触れて刺されてしまうと水ぶくれや発熱などの症状に見舞われるため、ダイバーたちから恐れられています。
普段見られるこの姿はイラモの「ポリプ」の群体です。
キチン質でできたストローのような棲管内で各ポリプがストロビレーションを起こし、有性生殖世代のエフィラ幼生が遊離します。
今回、本種の展示にあたって、公益財団法人黒潮生物研究所の戸篠主任にご協力いただきました。なんでも、採集する際にウェットスーツや手袋の隙間から刺されて一日寝込んだとか…。
みなさまはクラゲサイエンスの安全な水槽でぜひじっくり観察してみてください。
※短期間の展示となる可能性があります。ご了承ください。