ナンヨウミズクラゲは暖かい海に生息するミズクラゲの仲間で、日本では沖縄県や小笠原諸島で確認されています。相模湾でもみられるミズクラゲAurelia coerulea と比べると、傘の縁の切れ込みが深いこと、傘の厚みが薄いことなどが特徴としてあげられます。さらに、生殖巣はハートのような形をしています。印象的なその姿は一度見ただけで惚れ惚れしてしまいます!
今回展示するのは、えのすい生まれのナンヨウミズクラゲです。3か月ほど前にYトリーターが小笠原諸島で本種の成体からプラヌラを採取し、そこからポリプを得ました。ポリプから遊離したエフィラは、ミズクラゲと比較して小さく、色味も異なっていました(ミズクラゲは赤褐色、ナンヨウミズクラゲは薄黄色)。
現在、ポリプやエフィラの給餌頻度や飼育水温・塩分などを調整して、きれいな形に成長しつつあります。しかし、まだ生殖巣は完全なハート型ではありません。成長につれてハート型になっていくのか、育成時に必要な条件があるのか、今後も観察を続けながら飼育を行なっていきたいと思います。ぜひみなさまも、クラゲに隠れたハート型を探しにご来場ください!
ナンヨウミズクラゲ
ミズクラゲ(東京湾で採集したミズクラゲから繁殖させた個体)